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人間関係のトラブルが多いパーソナリティ障害の定義、診断基準は?

パーソナリティとは、反応パターンや行動パターン、性格など、自分と外の世界との関わり方を決めるものです。

そのパーソナリティがうまく機能せず、社会に不適応を起こす状態がパーソナリティ障害の定義といえます。

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パーソナリティ障害の3つの特徴

パーソナリティ障害は、パーソナリティの機能が障害されているために、自分と外の世界との関わりがうまくいかない状態です。

パーソナリティ障害は、主に次の3つの特徴があります。

①考え方がかたよっている

多くの人がこう考えるだろう、というような枠からはずれて、物の考え方が偏っていたり、考え方に柔軟性がなく、別の考え方を受け入れられません。

②パターンがかたくなである

場面や相手によって臨機応変に対応することなく、いつでも、どこでも極端にかたよった対応を続けます。こうしたかたよりが、ある特定の分野だけでなく、対人関係、社会生活全般にわたることも特徴です。

③特定の原因がない

ある種の薬や病気など、はっきりとした原因がありません。おおむね思春期から青年期(18歳以上)ごろからこうした傾向がみられ、ずっと続きます。

パーソナリティ障害は非常識で常識はずれ?

私たちのパーソナリティは、生活している社会や文化の影響を強く受けています。

考え方、行動のパターンは自分で自由に決めているように感じられますが、実際には、社会通念、礼儀、道徳、常識などに基づいて判断しているのです。

同じ社会で生活している人同士では、相手の反応がある程度予測できるのはこのためです。

ところが、パーソナリティ障害では、こうした暗黙の了解を超えて、物の考え方や行動のパターンが著しくかたよってしまいます。

人間関係のトラブルが多いパーソナリティ障害

いわゆる暗黙の了解が理解できないことが多いパーソナリティ障害は、まわりの人とのコミュニケーションに不具合が生じることが少なくありません。

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自分のことを他の人に分かってもらえないという虚しさや「うまくいかない」という感覚にとらわれ、パーソナリティ障害の本人もつらい思いをします。

家族や恋人など周囲の人も、パーソナリティ障害の人の問題行動に振り回されたり、責められたりして大変な思いをし、苦労する場合が多くみられます。

人とのコミュニケーションがうまくいかず、周囲の人も、本人もつらい思いをするため、社会生活そのものが困難になることがあるのがパーソナリティ障害の特徴です。

パーソナリティ障害/人格障害の診断基準・定義[DSM-Ⅳ-TR]

アメリカで用いられている「精神疾患の分類と診断の手引き(DSM-Ⅳ-TR)」による、パーソナリティ障害の定義・診断基準です。

日本でもこのDSM-Ⅳ-TRに準じることが多く、具体的な個別の診断には日本社会の特徴を加味して判断されます。

パーソナリティ障害/人格障害の診断基準・定義[DSM-Ⅳ-TR]

A.その人の属する文化から期待されるものよりいちじるしくかたよった、内的経験および行動の持続的様式。この様式は以下の領域の2つ(またはそれ以上)の領域に現れる。
(1)認知(すなわち、自己、他者、および出来事を知覚し解釈する仕方)
(2)感情性(すなわち、情動反応の範囲、強さ、不安定性、および適切さ)
(3)対人関係機能
(4)衝動の抑制

B.その持続的様式は柔軟性がなく、個人的および社会的状況の幅広い範囲に広がっている。

C.その持続的様式が、臨床的にいちじるしい苦痛、または社会的、職業的、または他の重要な領域における機能の障害を引き起こしている。

D.その様式は安定し、長期間続いており、その始まりは少なくとも青年期または成人早期にまでさかのぼることができる。

E.その持続的様式は、他の精神疾患の現れ、またはその結果ではうまく説明されない。

F.その持続的様式は、物質(例:薬物乱用、投薬)または一般身体疾患(例:頭部外傷)の直接的な生理学的作用によるものではない。

◆この記事は、市橋クリニック院長、精神保健指定医の市橋秀夫先生執筆・監修「パーソナリティ障害のことがよくわかる本(講談社)」の内容に基づいて、当サイト運営事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。

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