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[家族の対応]自己愛性パーソナリティ障害の患者への接し方

自傷行為・暴言・暴力などの問題行動が起こったときには、家族が向き合い、受け止め自分自身でその問題を解決しなければならないのだと「態度で」示すことが大切です。

まわりの人は言いなりにならない

自己愛性パーソナリティ障害の問題行動は、むやみに否定したり、迎合するだけではおさまりません。

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「今回だけは…」と、親が子どもの行動に迎合すると、自己愛性パーソナリティ障害の子どもは、自分の要求を通すために問題行動を起こすようになってしまいます。

あるときは拒否し、あるときは受け入れる、と一貫性がないと、「なぜ前はよくて、今はダメなんだ」と患者本人の不信感や怒りを増長させてしまいます。

言いなりになるのではなく、子どもの話に耳を傾けつつ、一貫した態度を保つよう心がけましょう。

自立心を養う

自己愛性パーソナリティ障害の子どもの要求に対して、親が助ける場合には「ここまでなら援助ができる」と範囲を明確にしましょう。

援助しない場合には、「経済的に難しい」「あなたの問題だから」と理由をあげて拒否するとよいでしょう。

自己愛性パーソナリティ障害の問題行動への対応のポイント

自己愛性パーソナリティ障害の問題行動が起こるきっかけのほとんどは、失敗、喪失などの経験です。

こうしたつらい気持ちから回復するために、自己愛性パーソナリティ障害の患者本人が攻撃的になったり、あるいは身体症状を訴えたりします。

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ほとんどの親は、

・どうしていいか分からない
・怖い
・周囲に知られたくない

という気持ちを抱くことになりますが、まずは、家族一人一人が自分を見なおすことが大切です。

自己愛性パーソナリティ障害の患者本人も家族も、自分は変わらずに相手だけを変えようとしがちですが、それよりもまず必要なのは、家族全員が自分に問題点がないか見直し、自分から変わろうとする姿勢です。

親同士の責任転換をやめる

自己愛性パーソナリティ障害の子どもの両親は、子どもがこうなったのは相手(妻や夫)のせいだと責め合いがちです。

その背後には「自分は自分の責任を一生懸命果たしてきた」という思いがあることでしょう。

それは事実でしょうが、相手に責任がある理由にはなりません。

過去よりも「今ここ」で起きている問題に一緒に取り組むようにすると、母親も父親もお互いに楽になったり、うまくいくことはたくさんあるはずです。

共依存と自己愛性パーソナリティ障害

パーソナリティ障害では、親と子がお互いに依存しあう状態(共依存)が見られます。

自己愛性パーソナリティ障害も例外ではなく、共依存になっているケースが少なくありません。

子どもためによかれと思ってやっていることや、しつけとして親が行っていることが、子どもにとっては過剰な干渉に感じられているかもしれません。

子どもは子どもの世界を、親は親の世界を、もう一度見直すようにしましょう。

◆この記事は、市橋クリニック院長、精神保健指定医の市橋秀夫先生執筆・監修「パーソナリティ障害のことがよくわかる本(講談社)」の内容に基づいて、当サイト運営事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。

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