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ネット依存症の定義、診断基準とは?

インターネットの過剰使用は、医学的には嗜癖(しへき)のひとつです。

ただ、嗜癖という言葉は難しく分かりにくいため、ネット嗜癖ではなく「ネット依存」という表現が一般的です。

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ネット依存症の定義は?

依存症とは、家族や仕事、学業など、大切にすべきものを放り出してでも、使用や行動を優先させ、コントロールできない状態です。

インターネットの過剰使用もこれにあてはまります。

【ネット使用】
ネットを長時間使用している

↓↓↓

【やめられない】
やめなければならないと分かっているが、嘘をついてでもネットを使用する

↓↓↓

【様々な問題がおこる】

↓↓↓

【依存症】

ネット依存症の診断基準のガイドライン

ネット依存症の始まりは、1997年にアメリカの精神科医イヴァン・コールドバーグが、ネットの過剰使用を障害と理論づけたのが始まりです。

翌年の1998年、アメリカの心理学者キンバリー・ヤングがネット依存症の診断ガイドライン試案を作成しました。

ネット依存症の診断基準は、DSM-Ⅳ-TR(アメリカ精神医学会の診断基準)の病的賭博「ギャンブル依存症」の診断基準をもとに改変しています。

ネット依存症のガイドライン試案[Diagostic Questionnaire]

次の8項目中、5項目以上あてはまればネット依存とする。

1.ネットに夢中になっていると感じていますか(たとえば前にネットでしたことを考えたり、次に接続することをわくわく待っているなど)

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2.満足を得るためには、ネットを使っている時間をだんだん長くしていかなければならないと感じていますか

3.ネット使用を制限したり、時間を減らしたり、完全にやめようとしたが、うまくいかなかったことがたびたびありましたか

4.ネット使用時間を短くしたり、完全にやめようとしたとき、落ち着きのなさ、不機嫌、落ち込み、またはイライラなどを感じますか

5.はじめ意図したよりも長い時間オンライン状態でいますか

6.ネットのために、大切な人間関係、仕事、教育や出世の機会を棒に振るようなことがありましたか

7.ネットのハマり具合を隠すために、家族、治療者や他の人達に対して嘘をついたことがありますか

8.問題から逃れるため、または絶望的な気持ち、罪悪感、不安、落ち込みといった嫌な気持ちから解放される方法としてネットを使いますか

精神疾患としてのネット依存症の研究は始まったばかり

あらゆるものにネット使用を優先させ、あきらかな支障があるのにやめられない。

その症状から、ネットのやりすぎ(ゲームのやりすぎ)も依存症のひとつとみられています。

しかし、医学的にネット依存症の定義はありません。

ネット自体の歴史が浅く、検証できるデータの蓄積がないことが大きな原因です。

とはいえ、実際にネット使用がやめられず、苦しんでいる人がいる現状です。

医学的な治療を始めなくてはならない一方、日本でも研究を進め、世界に向けて情報発信する必要があります。

ネット依存症という病気はない?

ネットのやりすぎを「ネット依存症」と呼ぶことについての反論意見もあります。

・離脱症状がないので依存症とは言えない
・そもそも精神疾患であるかも結論は得られていない

◆この記事は、独立行政法人国立病院機構 久里浜医療センター院長、精神科医である樋口進先生執筆・監修「ネット依存症のことがよくわかる本(講談社)」の内容に基づいて、当サイト運営事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。

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