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なぜ、アスペルガー症候群は空気が読めないのか?

アスペルガー症候群の人は、その場の空気が読めなかったり、雰囲気を壊すような発言をすることが少なくありません。

なぜ、アスペルガー症候群の人は空気が読めない言動をしてしまうのでしょうか。

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アスペルガーが空気を読めない理由は?

アスペルガー症候群の子は、人の顔全体を見てその表情を理解することが苦手です。

普通の人の場合、相手が怒っているのか、喜んでいるのか、判断するのは、顔を全体でとらえていれば瞬時に判断できるものです。

ですが、アスペルガー症候群の人の場合、相手が顔全体で発している表情をとらえることが苦手なのです。

個々のパーツの形などから表情を判断しようとするために、顔全体の「表情」を読みとることがとても不得手になってしまいます。

相手の表情などから、気持ちや感情を読みとることがアスペルガー症候群は苦手なため、その場の空気が読めないことや、雰囲気を壊してしまう言動をしてしまうのです。

ひとつひとつを部分的にしかとらえられない

アスペルガー症候群の人が相手の表情を理解するためには、目や口といった個々のパーツの形を頼りに判断することが必要になります。

アスペルガー症候群の子どもの中には、人の表情を理解するために「喜んだ顔は目が大き開いて、口の両端が上がる」といったメモをつくっている子もいます。

アスペルガー症候群の子は、顔の作りとその動きのひとつひとつを確認し、それを重ね合わせて表情を読み解くという困難な作業をしないと、表情の意味を理解することができないのです。

アスペルガー症候群は全体像をとらえることが苦手

人の顔に関心がない、顔をパーツの積み重ねとしてとらえる、ということから、アスペルガー症候群の人は、相手の表情の意味が分かりにくいことが多くみられます。

[例]
まゆ+目+鼻+口=あれは顔だ!

[さらに分析]
まゆ:下がっている
目:大きく開いている
鼻:横にふくらんでいる
口・両端が上がっている

「笑っているのか!」と理解する

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アスペルガー症候群は認知が違うことを理解する

アスペルガー症候群の子どもは、認知のしかた(物事のとらえ方・考え方)が私たちとは異なります。

そのことを十分に理解して、適度な距離で接することが大切です。

アスペルガー症候群の子を持つ親の対応は?

アスペルガー症候群の子を持つ親は、その行動が理解できずに戸惑ってしまうことも多いはずです。

しかし、認知の違いに苦しんでいるのは、むしろ子どもの方だということを理解しましょう。

親は、子どもの得意分野・不得意分野をよく見極め、得意分野を伸ばしてやりたいものです。

できるだけアスペルガー症候群の子どもがつらい思いをしなくてもすむような環境つくりも大切です。

社会常識や礼儀・マナー、コミュニケーション能力を教える

アスペルガー症候群の子を持つ親や周りの大人は、日常生活に必要な最低限の社会常識や、基本的な礼儀、マナー、コミュニケーションスキルについても教える必要があります。

今後、アスペルガー症候群の子どもが社会の中で生きていくためには、最低限の常識やコミュニケーションスキルはどうしても必要になるからです。

感情に訴えるような説得の仕方は避け、「こういうときは、こう対応するものだ」と状況と対処法をセットにして教えるのが効果的です。

アスペルガー症候群の子どもの行動を無理に変えるのではなく、行動の背景にある認知の違いを理解して、お互いの悩みや問題を減らしていく生活を目指しましょう。

苦しんでいるのはアスペルガー症候群の本人

アスペルガー症候群の子どもを持つ親は、とまどい、悩んでしまうことが多いものです。

しかし、一番苦しんでいるのは子ども自身なのです。

アスペルガー症候群の行動の背景にある認知の違いを理解して、お互いの困り感を減らしていく生活を目指しましょう。

アスペルガー症候群の子の親の役割

・子どもの得意分野と不得意分野を見極め、得意分野を伸ばす。

・子どもがつらい思いをしなくてもいいような環境をつくる

・日常生活に必要な最低限の礼儀やマナー、常識をきちんと教える。

・感情に訴えるのではなく、状況と対処法をセットにして教える。

◆この記事は、元東京大学医学部附属病院小児科医長、お茶の水女子大学大学院教授の榊原洋一執筆・監修「ササッとわかるアスペルガー症候群との接し方(講談社)」の内容を元に、当サイト運営事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。

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