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アスペルガーの子は集中力がない?音に敏感、過敏

アスペルガー症候群の子は集中力がない、集中できない、と言われることがあります。

アスペルガー症候群は、必要な音だけに神経を集中させる「選択的注意」が行えないため、人ごみや騒音が苦手な特徴があります。

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アスペルガー症候群は集中力がない?

アスペルガー症候群の人は、人ごみや大きな音のする場所が苦手です。

多くの音が一度に耳に入ってきてしまうという特有の感覚を持っていて、敏感なことが原因です。

そのせいで、アスペルガー症候群は集中力がない、と周りの人から思われることが多いようです。

アスペルガー症候群は選択的注意が苦手

通常、人と話しながら道を歩いているときは、車が走る音や通り過ぎる人の靴音などが聞こえても、相手との会話に神経を集中させることができます。

普通の人は、耳に入ってくる音の中から「相手の声」にだけ焦点を合わせ、他の音にはフィルターをかけることができ、これを「選択的注意」といいます。

選択的注意のメカニズムは、まだ完全には分かっていませんが、人間には、入ってくる感覚刺激のうちある一部だけに注意を傾ける能力があります。

アスペルガー症候群の子は、この選択的注意の能力が十分に働かないのではないかと推測されています。

そのため、道を歩いている人の靴音や騒音などがすべて耳に入ってきて混乱してしまい、集中することができないのです。

選択的注意とは?意味・定義

「選択的注意」とは、多くの情報の中から必要なものだけを取り出すこと、を意味します。

騒音の中を歩いていても相手と会話ができるのは、自分が聞きたい「相手の声」意外の音にフィルターをかけられるからです。

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「選択的注意」のメカニズムは、「意思」の決定などにかかわる脳の一部が関わっていると考えられています。

アスペルガー症候群の場合、選択的注意の働きに障害があると推測され、そのせいで情報の取捨選択がうまくできないのです。

細部に集中しすぎて全体を上手くとらえられない

「選択的注意」がうまくできないことは視覚にも影響を及ぼします。

アスペルガー症候群の子は、独特の知覚のせいで全体像がうまくつかめません。

視覚や聴覚が独特なアスペルガー症候群

アスペルガー症候群の子は、音の聞こえ方だけでなく、物の見え方にも特有の感覚を持っています。

通常、私たちが物を見るとき、これはどういった種類のどんな物か、という情報を瞬時にピックアップして全体像をとらえ、次の細部を見ていくという作業を無意識のうちに行います。

例えば、自分の部屋に入ったとき、私たちは特別意識することなく瞬間的に室内の状況に目を配り、自分の部屋だということを認識します。

しかし、アスペルガー症候群の子は、この確認作業がうまくできないのです。

例えば、部屋に入るとまず、出かけるときに机に置いた本の位置に目がいきます。

その位置がちょっとでもズレていると強い違和感を持ってしまい、全体を見て判断する前に、ここは自分の部屋ではないと感じてしまうのです。

アスペルガー症候群の人が、細部にこだわるあまり、全体が見えなくなるのは、選択的注意がうまくおこなえないためです。

細部を積み重ねて全体を見ようとするため

「選択的注意」は、視覚にも影響を及ぼします。

アスペルガー症候群の場合、瞬時に全体像をとらえられないため、細部から全体を組み立てようとする傾向があります。

◆この記事は、元東京大学医学部附属病院小児科医長、お茶の水女子大学大学院教授の榊原洋一執筆・監修「ササッとわかるアスペルガー症候群との接し方(講談社)」の内容を元に、当サイト運営事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。

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