統合失調症Q&A|治療方法と回復後の再発防止について

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統合失調症の治療方法と回復後の再発防止について

統合失調症の患者さんはまわりの人にとっては、疑問や質問を持つことが多いと思います。

今回は、統合失調症の治療方法と、症状が回復した後の生活や再発防止の方法、就職や仕事などについて調べてみた内容をQ&Aの形で書いてみたいと思います。

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Q.統合失調症の治療方法は?

統合失調症の治療は、薬物療法を中心にして、症状が回復してきたらリハビリテーションを並行して行い、患者さんが自立した生活をするための準備に入ります。

統合失調症の薬物療法では、副作用が少ない「非定型抗精神病薬」が使われることが多く、症状が回復してきた後も服薬を続けます。

統合失調症の治療については、病気に気づいたら早めに治療を開始することが症状も回復しやすいといわれています。

Q.統合失調症で入院治療が必要な症状は?

統合失調症の治療を通院ですすめるか、入治療をするか、については、患者本人の意思を尊重した上で、総合的に医師が判断します。

幻覚や妄想などの症状が激しく、問題行動が多い場合や、患者本人や家族、周りの人に危害を加えるおそれがある場合などは入院治療が行われます。

統合失調症の場合、多くのケースで患者本人が統合失調症であることを自覚していないようです。

病気の自覚がないので、本人が治療を拒否する例もあり、必要な治療を受け付けない場合には、患者本人の希望がなくても入院して統合失調症を治療する場合もあります。

病院を選ぶときに悩むようであれば、地域の保健センターや都道府県の精神保健福祉福祉センターに相談してみてください。

Q.統合失調症はどのくらいの治療期間で治る?

統合失調症の治療期間は、病気の発症から約5年間が治療のために重要な時期だといわれています。

ですが、統合失調症の症状は、人によって個人差が大きい病気なので、回復に要する治療期間にも違いがあります。

統合失調症は「急性期・消耗期・回復期・寛解期」の4つの段階に分離され、症状が激しい急性期はだいたい数週間から数ヶ月です。

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その後の消耗期は、短いケースだと数ヶ月で、長いケースだと数年になることもあります。

回復期から寛解期に入ると、比較的症状も落ち着きますが、再発して急性期に戻ってしまう人もいます。

A.治療中の家族の対応や接し方は?

統合失調症を発症していても、患者本人は自分が病気である自覚がないことも多く、初診時には家族も一緒に診察を受けることが多いようです。

何か変化に気づいたときは、家族から受診をすすめる必要があります。

家族は、統合失調症について正しく理解し、本人が服用を継続できるようなサポートが大切になります。

また、統合失調症の患者本人に対して、責めたり怒ったりなど、強いストレスを感じさせるような接し方には注意しましょう。

Q.統合失調症の再発を防止するためには?

統合失調症は再発が多い病気です。

抗精神病薬の服用を中断すると、約90%の割合で数年以内に統合失調症を再発するといわれています。

再発防止のためには、医師の指示がないのに自分で勝手に薬を飲むことをやめないことです。

また、ストレスがたまると統合失調症の再発リスクも高くなるので注意しましょう。

すぐ怒る、すぐ落ち込む、やる気がない、などの気持ちの変化があるときは、再発の兆候かもしれないので、ゆっくり休む、病院を受診するなどの対処が必要です。

Q.統合失調症の人の就職や生活の支援制度は?

統合失調症などの精神疾患の人のための支援制度として、2010年に精神障害者地域以降・地域定着支援事業がはじまりました。

精神保健福祉法や障害者自立支援法なども、精神障害の人が自立した生活を送るための福祉サービスを定めています。

また、就職や就労に関しては、障害者自立支援法が支援態勢を定めています。

Q.統合失調症でも結婚して子供を産める?

統合失調症の場合、恋愛関係などで精神的に不安定な状態になると、病気が再発する場合があります。

ですが、周囲の支援やサポート、適切な治療を受けることで、結婚生活を送ることも可能です。

妊娠と出産のときには、薬を調整する必要があるので、担当医に相談するようにしましょう。

◆この記事は、国立精神・神経医療研究センター神経研究所疾病研究第三部部長である功刀浩先生執筆・監修の「図解やさしくわかる統合失調症(ナツメ社)」の内容を元に、当サイト事務局の心理カウンセラーが記事編集を行っています。

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