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統合失調症の経過と症状、診断基準について/陽性症状と陰性症状

統合失調症の症状は、大きく2つに分類されて、陽性症状と陰性症状があります。

ほかの症状として、認知機能障害がおこる場合もあります。

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統合失調症の経過には、5つの段階があり、それぞれの段階であらわれる症状にも違いがあります。

統合失調症の陽性症状とは

家族などまわりの人が「統合失調症では?」と病気の存在に気づくのは、幻覚や妄想がひどい場合、イライラしたり攻撃的になったりした場合などのケースが多いようです。

また、学校や仕事を休んでひきこもりがりになったことをきっかけにして、統合失調症に気づく例もあります。

統合失調症の症状には「陽性症状」と呼ばれ症状があり、現実離れした言動や行動などの症状をいいます。

具体的には、幻覚や妄想、イライラ、興奮状態、意味不明な会話などが陽性症状の例になります。

自分の考えが相手にわかってしまうのではと感じる「さとられ体験」や、誰かの声が聞こえたり命令されて行動していると感じる「させられ体験」の症状があらわれる場合もあります。

陽性症状まとめ

・幻覚
・妄想
・イライラ
・興奮
・つながりのない会話

統合失調症の陰性症状とは

統合失調症の陽性症状とは逆に、陰性症状という症状もあります。

陰性症状の具体例として、興味がなくなる、やる気が出ない、意欲の低下、感情が乏しい、自閉、ひきこもりがちになる、などの症状があります。

陰性症状まとめ

・表情が乏しい
・意欲が低下する
・思考内容が乏しい
・ひきこもる

統合失調症の認知機能障害とは

統合失調症の認知機能障害は、昔は陰性症状のひとつとされていましたが、研究が進み、認知機能障害は統合失調症の基本的な症状として扱われるようになっていています。

認知機能障害とは、知能や記憶力の低下、情報処理能力の低下などの症状です。

認知機能障害がある統合失調症の場合、自立した生活が難しくなり、仕事や学校にも影響がでやすくなります。

また、高次脳機能障害という症状もあり、音や色彩などの刺激に過敏になったり、逆に鈍感になったりする障害がおこる場合もあります。

認知機能障害まとめ

・知能、記憶力の障害
・実行機能の障害(課題を達成する能力)
・感覚情報処理の障害(知覚過敏や注意の障害)

統合失調症の経過は5段階に分類される

統合失調症の経過は、「前駆期・急性期・消耗期・回復期・寛解期」の5つの段階に分けられます。

統合失調症を発症する前の前駆期には、陰性症状があらわれやすいといわれています。

発症後の急性期には、陽性症状がでることが多く、この時期に統合失調症を診断される例が多いようです。

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陽性症状がおさまると消耗期に入り、陰性症状が残ることが一般的な流れです。

その後の回復期をむかえると、徐々に活動的になっていき、寛解期になると落ち着いた日常生活を過ごせるようになります。

ですが、統合失調症の症状のあらわれ方は個人差が大きく、統合失調症だからといって患者全員に幻覚や妄想の症状があるわけではなりません。

治療によって幻覚や妄想が目立たなくなり、陰性症状や認知機能障害が残るケースもあります。

統合失調症の患者さんの中にも、健康な人と同じように学校に行ったり、仕事をしている人もいます。

医師と本人、家族が一体となって統合失調症の患者が自立できるような適切な治療と支援が大切です。

統合失調症の診断基準[DSM-5]

【統合失調症の診断基準(DSM-5)】

A. 以下のうち2つ以上、各々が1ヶ月間(または治療が成功した際はより短い期間)ほとんどいつも存在する。これらのうち少なくともひとつは(1)か(2)か(3)である。
(1)妄想
(2)幻覚
(3)解体した会話(例:頻繁な脱線または滅裂)
(4)ひどくまとまりのない、または緊張病性の行動
(5)陰性症状(情動表出の減少、意欲欠如)

B. 障害の始まり以降の期間の大部分で、仕事、対人関係、自己管理などの面で1つ以上の機能のレベルが病前に獲得していた水準より著しく低下している(または、小児期や青年期の発症の場合、期待される対人的、学業的、職業的水準にまで達しない)。

C. 障害の持続的な徴候が少なくとも6ヶ月間存在する。この6ヶ月の期間には、基準Aを満たす各症状(すなわち、活動期の症状)は少なくとも1ヶ月(または治療が成功した際はより短い期間)存在しなければならないが、前駆期または残遺期の症状の存在する期間を含んでもよい。これらの前駆期または残遺期の期間では、障害の徴候は陰性症状のみか、もしくは基準Aにあげられた症状の2つまたはそれ以上が弱められた形(例:風変わりな信念、異常な知覚体験)で表されることがある。

D. 統合失調感情障害と、精神病性の特徴を伴ううつ病または双極性障害が以下のいずれかの理由で除外されていること
(1)活動期の症状と同時に、うつ病・躁病エピソードが発症していない
(2)活動期の症状中に気分のエピソードが発症していた場合、その持続期間の合計は、疾病の活動期および残遺期の持続期間の合計の半分に満たない。

E. その障害は、物質(例:乱用薬物、医薬品)または他の医学的疾患の生理学的作用によるものではない。

F. 自閉スペクトラム症や小児期発症のコミュニケーション症の病歴があれば、統合失調症の追加診断は、顕著な幻覚や妄想が、その他の統合失調症の診断の必須症状に加え、少なくとも1ヶ月(または治療が成功した際はより短い期間)存在する場合にのみ与えられる。

◆この記事は、国立精神・神経医療研究センター神経研究所疾病研究第三部部長である功刀浩先生執筆・監修の「図解やさしくわかる統合失調症(ナツメ社)」の内容を元に、当サイト事務局の心理カウンセラーが記事編集を行っています。

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