[統合失調症の経過]無気力、ぼーっとしている消耗期/休息期

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[統合失調症の経過]無気力、ぼーっとしている消耗期/休息期

統合失調症の妄想や幻覚/幻聴などの激しい陽性症状がみられる急性期のあとは、興奮状態がおさまる時期があります。

まわりの人から見ると、統合失調症の人がぼんやりとした状態に見えるこの時期を消耗期/休息期と呼びます。

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今回は、統合失調症の消耗期/休息期の症状や特徴について書いてみたいと思います。

統合失調症の消耗期/休息期の症状と特徴

幻覚/幻聴/妄想などの激しい陽性症状があらわれる統合失調症の急性期の後に、消耗期/休息期と呼ばれる時期があります。

統合失調症の消耗期/休息期の主な症状や特徴は、無気力状態、何もしない、ぼーっとしている、ぼんやりしている、などの状態です。

激しく興奮する急性期の後の消耗期は、十分な休息が必要な時期なので休息期と呼ぶこともあります。

長さや期間は?統合失調症の消耗期

幻覚や幻聴、妄想がひどい統合失調症の急性期は、長くても数週間から数ヶ月程度の期間をいわれていて、病気の治療が早いほど短期間になる傾向がみられるようです。

それと比べて、統合失調症の消耗期は約3ヶ月から6ヶ月程度の期間が一般的ですが、長い人は数年単位になるケースもあります。

統合失調症の患者さんの親や家族などまわりの人からすると、本人が無気力で何もせず、ただぼーっとしている状態がしばらく続くので、「病気の回復が見込めないのでは?」と思ってしまうことも少なくありません。

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ですが、患者さん本人の中では、ゆっくり病気の回復に向けてエネルギーをためているような期間になるので、あせらずに見守ってあげる対応が大切です。

子供返り/赤ちゃん返りのような状態もみられる消耗期

統合失調症の消耗期/休息期では、患者本人が無気力で何もやる気がおきず、ぼーっと過ごすことが多いので、ベッドでずっと寝ていることもあります。

どんなに寝ても足りないように、起きてからもゴロゴロしていたり、うとうと居眠りをしていることも多いようです。

また、統合失調症の消耗期/休息期では子供のように親に甘えたりする赤ちゃん返りや子供返りのような特徴がみられることもあります。

そうやって急性期で使いはたしてしまったエネルギーや活力をためているのです。

統合失調症の消耗期/休息期の対応は?

無気力、ゴロゴロしている、ずっと寝ている、ぼーっとしている、などの症状が特徴的な統合失調症の消耗期/休息期では、親や家族などまわりの人はどのように対応すればいいのでしょうか。

統合失調症の消耗期/休息期の後には回復期が訪れます。

回復期に入ると、統合失調症の患者本人にも身体的にも精神的にも徐々にゆとりが持てるようになります。

そして活動範囲も少しずつ広がり、できることが増えていきます。

統合失調症の消耗期休息期は、次の回復期に向けてエネルギーや活力を充電する時期になるのです。

親や家族などまわりの人は、病気の回復をあせらずにあたたかく本人を見守ってあげる対応が重要です。

◆この記事は、国立精神・神経医療研究センター神経研究所疾病研究第三部部長である功刀浩先生執筆・監修の「図解やさしくわかる統合失調症(ナツメ社)」の内容を元に、当サイト事務局の心理カウンセラーが記事編集を行っています。

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