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統合失調症の寛解期の期間や定義について

統合失調症では治った、完治という表現が使わずに「寛解」という言葉を使います。

統合失調症の寛解期では、仕事や学校など普通の日常生活が送れるようになる状態ですが、病気の再発には十分に注意が必要です。

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今回は、統合失調症の寛解期の期間や定義について書いてみたいと思います。

統合失調症は完治ではなく寛解と呼ぶ

統合失調症では「完治」「治った」という言葉ではなく「寛解」という専門用語を使います。

寛解という言葉を使う理由はいくつかありますが、統合失調症の患者さんが回復し、仕事や勉強などの日常生活を普通に過ごす言葉できるようになっても、陰性症状や認知機能障害が少し残り、病気発症以前と同じ状態にまで戻ることは少ないからです。

また、統合失調症は、病状が回復したとしても、病気の再発率が高く、引き続き治療が必要であるということも理由のひとつです。

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統合失調症の寛解期の定義と意味について

統合失調症の寛解について、専門的にはどのように定義されているのか調べてみました。

2005年にナンシー・アンドリーセンらの有名な精神医学者たちの論文では、

「統合失調症の寛解とは、陽性症状(幻覚・妄想)、解体症状(解体した会話・行動)、陰性症状(感情鈍麻・自閉・意欲低下)の重症度が、どれも軽度から消失した状態で、6ヶ月間続いた状態」

と定義されています。

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寛解期でも統合失調症の再発に注意が必要

統合失調症の治療に取り組み、薬物治療によって幻覚や妄想などの陽性症状は回復していきます。

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その後、ゆっくりと休息して回復期に入り、社会復帰のためのリハビリを行って、仕事や勉強など日常生活を送れる状態にまで回復すると、精神的にも落ち着き安定するようになっていきます。

この状態を統合失調症では寛解期と呼びますが、病気の再発にはまだまだ注意が必要です。

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統合失調症の寛解期でも薬を飲み続ける必要があるのか?

人によっては、数回だけ統合失調症の精神症状がでただけで、1年間新たに症状があらわれなければ、その後は薬を服用せずに経過観察になることもありますが、そういった患者さんの約9割が5年以内に再発しているという報告もあります。

どのくらいの期間、薬と飲み続ければ統合失調症の再発リスクがなくなるのか、という点についてはまだ確実なデータは存在しません。

精神症状が1回だけで、その後順調に回復して寛解したとしても、その後しばらくの期間は薬を飲み続けて再発予防に取り組む方がよいでしょう。

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◆この記事は、国立精神・神経医療研究センター神経研究所疾病研究第三部部長である功刀浩先生執筆・監修の「図解やさしくわかる統合失調症(ナツメ社)」の内容を元に、当サイト事務局の心理カウンセラーが記事編集を行っています。

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