統合失調感情障害とは?症状と治療、統合失調症の違いについて

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統合失調感情障害とは?症状と治療、統合失調症の違いについて

統合失調症の症状ととてもよく似ている精神疾患/病気に、統合失調感情障害があります。

そこで今回は、統合失調感情障害の症状や治療、統合失調症とどこが似ているのか、何が違うのか、についてまとめてみたいと思います。

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統合失調感情障害とは?症状や特徴

統合失調症の症状と、うつ病・双極性障害の症状の両方がみられる場合に「統合失調感情障害」と呼ぶことがあります。

統合失調感情障害では、幻覚や妄想といった統合失調症の症状があり、さらに抑うつ気分や興味の低下、不眠、食欲不振、自殺を考えるなどのうつ病の症状がある場合があります。

また、過度に気分が高揚して多弁になったり、異常に活動的になったりして、会話や思考のスピードが速くなるなど躁病の症状がある場合にも、統合失調感情障害という病名で診断されることがあります。

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誤診も多い?統合失調感情障害の診断

診察する医師によっては、統合失調症や統合失調感情障害、うつ病や躁うつ病など、違う病名で診断される場合も少なくありません。

ですが、診断名が違うからといって誤診ということではなく、診断時においてどんな症状が目立っていたか、医師がどの症状に着目したかによって診断名が変わってくるのです。

診断名に関して過敏になりすぎないように気をつけましょう。

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統合失調感情障害の治療は?

統合失調症なのか、統合失調感情障害なのか、うつ病なのか、それとも双極性障害なのか、診断名が変わってしまうと、患者本人も家族も医師に対して不信感を持つこともあるかもしれませんが、病名がはっきりしないと治療ができないわけではありません。

「治療方針を決める上で診断名は重要じゃないの?」と疑問に感じる人もいるでしょうが、統合失調症の治療では、症状にあわせて様々な治療薬が用いられています。

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統合失調感情障害の薬の種類について

代表的な統合失調症の治療薬である抗精神病薬だけでなく、症状に応じて抗不安薬や気分安定薬(抗てんかん薬)、睡眠薬なども処方されています。

抗精神病薬がうつ病や双極性障害の治療に有効な場合もあります。

これらのよく似ている病気、区別が難しい場合において、診断名をはっきりさせることは、適切な治療をおこなう上ではあまり重要ではないとも考えられます。

どんな診断名であっても、主治医とよく相談しながら、患者本人の症状や状態にあった治療薬を用いて有効な薬物治療をおこなうことが大切なのです。

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統合失調感情障害と統合失調症の似ている点と違いは?

統合失調感情障害が統合失調症と似ている点と違いは次のようになります。

【似ている点】
・抑うつ、幻覚、妄想、解体症状がみられる。

【違い】
・統合失調感情障害では、病相(病気の症状があらわれる時期)と寛解期が交代することがある。
・統合失調感情障害では、幻覚や妄想など統合失調症によく似ている症状よりも、気分障害が目立つ時期がある。

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◆この記事は、国立精神・神経医療研究センター神経研究所疾病研究第三部部長である功刀浩先生執筆・監修の「図解やさしくわかる統合失調症(ナツメ社)」の内容を元に、当サイト事務局の心理カウンセラーが記事編集を行っています。

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