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低体重の未熟児やインフルエンザも統合失調症の発症原因に?

統合失調症の発症原因については、様々な要因が関係していることが研究によってわかってきています。

母親の妊娠中のストレス、低体重の未熟児など出産時の問題、幼児虐待やストレス、薬物乱用なども統合失調症という病気の発症リスクを高めてしまうことがあきらかになっています。

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妊娠中のストレスや低体重の未熟児も統合失調症の発症原因と関係する?

妊娠中の母親の精神的ストレスや栄養状態、未熟児など出産時のいろいろな問題(産科合併症)が要因となって脳の発達が妨げられ、認知機能障害がおこり統合失調症を発症するのではないか、という説があります。

このような説を「発達障害仮説」といいます。

実際に、第二次世界大戦中にひどい食糧不足に陥り、そのとき母親の胎内で妊娠中期だった退治は、大人になってから統合失調症の発症率が高かった、というデータがオランダで報告されています。

また別の調査によると、統合失調症の患者さんは、出生児に2500g以下の低体重の未熟児だった割合が高いことがわかっています。

これは妊娠中の低栄養、母親の飲酒や喫煙、胎盤感染などが低出生体重の原因になることもあり、赤ちゃんの脳の発達に悪影響を与えている可能性が示唆されています。

未熟児の赤ちゃんは、新生児の間に呼吸不全や核黄疸、貧血や感染症になりやすく、認知行動障害の原因といわれる低酸素虚血性脳症を発症するリスクも高くなります。

ですが、低出生体重の未熟児だと統合失調症の発症率が非常に高くなるということではありません。

発症リスクが2〜3倍になっても、100人に1人の発症が2〜3人の発症率になるだけなので、未熟児だからといって「統合失調症になるのでは?」と過剰に心配する必要はありません。

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冬生まれが多い?インフルエンザも統合失調症の発症原因に?

実は統合失調症の患者さんは冬生まれの人が多いといわれています。

誕生日があたたかい夏の季節だと、出生後も感染症にかかりにくい、新生児期に活発に活動するので神経の発達が促進されるなど、統合失調症の発症率を下げる影響があるともいわれています。

また冬の寒い季節にはウイルス性の病気が流行りやすく、それが将来に統合失調症の発症に関係してくるのではないか、という学説もあり、実際に1957年のアジアインフルエンザ流行のときに胎児だった人を追跡調査したところ、統合失調症の発症率が高くなっていたという調査報告もあります。

妊娠中期は一般的には安定期といわれますが、子宮の中の胎児にとっては思考や記憶など脳の大脳皮質が形成される時期になります。

この時期に母親がインフルエンザなどウイルス性の病気に感染すると、あとで何らかの障害に関係する可能性があると考える方が一般的かもしれません。

インフルエンザ以外にも、感染すると統合失調症の発症に関係する可能性があると言われるウイルスには、単純ヘルペスウイルス、サイトメガロウイルス、トキソプラズマなどがあります。

子育てと統合失調症の発症率は関係ある?

子供が統合失調症を発症した場合、親は「子育てが悪かったことが原因?」と自分たちを責める傾向がみられます。

確かに、幼児虐待は思春期以降に統合失調症の発症割合が高くなるみたいですが、虐待などの問題がなければ子育てが統合失調症の発症率に影響を与えるということはありません。

また、地方の田舎で育った人より、都市部など都会で育った人の方が、大人になってから統合失調症になりやすいといわれていますが、何がはっきりとした原因なのかはまだわかっていません。

欧米では、15歳以下の子供の頃にマリファナ(大麻)など薬物乱用をした人は、統合失調症の発症率が高くなるといわれています。

◆この記事は、国立精神・神経医療研究センター神経研究所疾病研究第三部部長である功刀浩先生執筆・監修の「図解やさしくわかる統合失調症(ナツメ社)」の内容を元に、当サイト事務局の心理カウンセラーが記事編集を行っています。

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