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脳検査の画像診断で統合失調症の何が分かるのか?CT/MRI/PET/fMRI/SPECT/NIRS

脳検査による画像診断技術は年々進化しており、精神医学界においても脳の病気の診断に役立てられています。

CTやMRI、NIRS、PETなどの脳画像研究で、統合失調症患者の脳の変化や違いもあきらかになってきています。

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画像診断による脳検査の方法と種類

脳の画像診断を実施することで、統合失調症の特徴といえる変化が脳にあらわれているか確認することができます。

また統合失調症と症状が似ている病気との区別にもつながり、画像診断による脳検査は、誤診防止、迅速で正確な診断に役立ちます。

脳検査による画像診断の種類には、次のような方法があります。

・CT
・MRI
・PET
・SPECT
・fMRI
・NIRS

それぞれの検査方法と、統合失調症患者の脳の特徴や変化についてもう少し詳しくみてみましょう。

脳の形態異常が分かる脳検査/画像診断の種類

脳の形態異常が分かる脳検査、画像診断には主に次の3つの種類があります。

【CT(コンピュータ断層撮影)】
多方向から身体にX線を照射して撮影した脳の画像を、コンピュータで立体的に再構成できる。

【MRI(磁気共鳴画像)】
磁石でできた大きな筒の中に入り、磁気を利用して身体の内部を撮影する方法。

脳の機能異常がわかる検査/画像診断の種類

脳の機能異常がわかる検査・画像診断は、主に次の4つの種類があります。

【SPECT(単一光子放射断層撮影)】
放射性同位元素を体内に注入し、そのぶんつ状況を断層撮影する方法で、血中量や代謝機能を調べることができる。

【PET(陽電子放射断層撮影)】
陽電子を放出する放射性同位元素を体内に注入して放射線を発生する様子を測定し、コンピューター処理で画像にする方法。SPECTと比べてより詳細に代謝機能が調べられるが、実施している医療機関が限られる。

【fMRI(機能的磁気共鳴画像)】
MRI装置によって、何らかの課題を実行している際の脳の血流変化を測定する方法。

【NIRS(光トポグラフィー検査)】
2009年、厚生労働省が先進医療として承認した検査。近赤外線を利用して、活動中の脳の表面部分の血流変化を測定する。

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統合失調症患者は脳室が大きい特徴がみられる

CT検査(コンピュータ断層撮影)によって、統合失調症の患者は健康な人と比べると、脳室が若干大きい特徴があることがわかっています。

脳室とは、脳脊髄液に満たされた空間のことで、統合失調症患者の脳が少し萎縮して小さくなっていることが脳室が大きい原因と考えられます。また、統合失調症の陽生症状(幻覚や妄想)や陰性症状(自閉や引きこもり)よりも、認知機能障害の強さが脳室の拡大に深く関係していることも明らかになっています。

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側頭葉や神経線維にもみられる統合失調症患者の脳変化

X線の代わりに磁気を活用することで、身体の内部を撮影し画像診断できるMRIが開発されて実用化されたことで、脳の部位別に細かいデータを調べることが可能になりました。

MRI検査では、統合失調症患者の脳の変化は、脳室の大きさ以外にも、側頭葉の内側の扁桃体や海馬の縮小がみられることがわかりました。

統合失調症の研究によると、脳室は約120%に大きくなり、側頭葉などの脳の内側の部分は93〜95%程度に縮小するという結果がでています。

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◆この記事は、国立精神・神経医療研究センター神経研究所疾病研究第三部部長である功刀浩先生執筆・監修の「図解やさしくわかる統合失調症(ナツメ社)」の内容を元に、当サイト事務局の心理カウンセラーが記事編集を行っています。

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