[統合失調症]家族の接し方や対応のポイントは?家族心理教育(家族SST)

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[統合失調症]家族の接し方や対応のポイントは?家族心理教育(家族SST)

家族の誰かが統合失調症を発症した場合、誰でも冷静ではいられなくなるものです。

ですが、統合失調症という病気を回復させるためには、身近にいる家族の対応や接し方が大きな影響をあたえます。

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家族の対応が統合失調症の回復に影響する

統合失調症の治療において、患者のまわりにいる家族の存在はとても大きな影響を与えます。

家族の接し方が病気の回復や症状の改善に力を与えるのです。

統合失調症患者にとってより良い家族の対応は病気の克服に役立ちますが、逆に批判的や否定的な家族の態度は病気の再発リスクを高めてしまうことにつながりかねません。

家族心理教育(家族SST)を参考に、統合失調症の患者本人にどのように対応すればよいか考えてみましょう。

批判、否定過、過干渉、過保護に留意すること

統合失調症の場合、家族から向けられる強い感情が病気の再発のきっかけになることがあります。

人それぞれ性格も違いますし、たとえ悪気がなくてもカッとしやすい人や、相手の欠点を注意してしまう性格の人もいます。

ですが、家族の一員に統合失調症患者がいるときは、言動に気をつける配慮が大切です。

統合失調症患者は、普通の人ならできる簡単なことでも病気の影響でうまくできなくて自信を喪失していることが多く、自分の行動や言動について批判や否定されることに過敏になっています。

否定や批判のニュアンスを感じるとストレスになってしまい、統合失調症の症状が悪化してしまうことにつながりかねません。

逆に、家族が過保護や過干渉になってしまうことも望ましくありません。

家族が何でも手助けしてしまうと、統合失調症患者本人が何でも人頼ってしまい、社会的機能の回復の妨げになることにつながるからです。

統合失調症患者の家族の心がけポイント

統合失調症患者の家族が心がけたいことは、大きく次の3つです。

①統合失調症という病気について正しい知識を持つ
②統合失調症の人とのコミュニケーションに配慮する
③家族自身も自分の人生を楽しみ、統合失調症患者に巻き込まれて共倒れにならないようにする

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統合失調症の再発リスクを高めてしまう家族の対応例

逆に、統合失調症の再発リスクを高めてしまう可能性がある家族の対応例には次のようなものがあります。

①批判的、否定的な反応をする
「馬鹿なことを言わないで」「しっかりして」などおいう言葉は、統合失調症患者を苦しめてしまうので注意。

②過保護、過干渉になる
かわいそうだと思って何でもしてあげたり、本人の言いなりになってしまうのは、病気の回復を妨げる。

家族が統合失調症という病気について正しい知識を持つこと

統合失調症という病気は、原因や発症後の病状の経過がよくわからなかったこともあって、社会から偏見や誤解を多く受けてきた病気のひとつです。

人は自分が理解できないものや知らないことに対しては偏見を持ったり、動揺しやすくなるものです。

しかし、現在では統合失調症についての研究も進み、病気の原因は性格や考え方ではなく「脳の病気」であることが分かっています。

統合失調症を発症する前とまったく同じ状態にまで回復することは難しいのですが、それは統合失調症に限らず糖尿病や生活習慣病でも同じようなことが言えます。

一度発症すると間完治させることは難しい病気ですが、きちんと薬を飲むことなどで病状の悪化を防ぐことは可能です。

家族が統合失調症という病気について正しい知識を持ち、うまく付き合っていくことが大切です。

病気を認めることが統合失調症治療のスタート

「統合失調症」という診断を病院で聞かされたとき、認めたくないのは自然な反応です。

ですが、病気であることを認めず、非科学的な民間療法に頼ったりすると病状を悪化させてしまうだけですし、ショックのあまり何も対処しないのもよくありません。

統合失調症という診断を受け止めて、病気の存在を認めることから適切な治療が始まります。

正しい知識を得ることで「どういう病気か」理解でき、どう対処していけばいいのか今後の見通しを立てることにつながります。

家族が落ち着いて冷静に対処できるようになることが、統合失調症の回復にはとても大切なKとなのです。

◆この記事は、国立精神・神経医療研究センター神経研究所疾病研究第三部部長である功刀浩先生執筆・監修の「図解やさしくわかる統合失調症(ナツメ社)」の内容を元に、当サイト事務局の心理カウンセラーが記事編集を行っています。

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