自閉症患者が増えている?生まれる確率、日本での割合は?

発達障害の一種である自閉症の場合、①言葉の遅れ、②人間関係の困難、③特定のものへの強いこだわり、の3つの特徴があらわれます。

近年、日本における自閉症患者の割合が増加している、という話を耳にすることもありますが、実際のところ、どれくらいの患者人数、発症割合なのでしょうか。

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自閉症の特徴と男女比率は?

アメリカの精神科医であるレオ・カナーが1943年に自閉症の症例を報告したのが、自閉症の始まりといわれています。

【自閉症の典型的な3つの特徴】
①言葉の発達の遅れ
②人間関係、コミュニケーションの困難
③特定のものや場所への強いこだわり

日本での自閉症の男女比率は、4:1で女性よりも男性の割合が高く、年齢では3歳頃までには自閉症の特徴的な行動が目立ってあらわれるとされています。

高機能自閉症とは?

自閉症患者のうち約80%は知的障害を伴い(IQ70未満)、残りの20%は知的障害が目立たない(IQ70以上)こともあり「高機能自閉症」と呼ばれます。

高機能自閉症の「高機能」は、脳の知的機能が高いことからこうした呼称が使われているようです。

昔は「自閉症は知的障害を伴うものである」と考えられていたこともあり、自閉傾向があっても知的障害がない場合では「自閉症」とは診断されないこともありました。

自閉症患者は増えているのか?

高機能自閉症が知られるようになり、知的障害がなくても自閉症であるとの診断がされるようになった背景もあり、日本国内での自閉症患者の割合は増加傾向にあります。

最近では「自閉症の子供が増えてきている」と言われることもありますが、実際のところ、自閉症を発症する子どもが増加しているというよりも、自閉症と診断される子どもの割合が増えている、といったほうが適切かもしれません。

2000年頃までの日本国内における自閉症の有病率は0.1%といわれ、1000人に1人の確率で自閉症の子どもが生まれると考えられていましたが、この割合は知的障害をともなう自閉症患者の割合となります。

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この数字に、高機能自閉症や同じ自閉性障害であるアスペルガー症候群の数字も含めると、有病率は10倍となりの1%、およそ100人に1人の確率になるといわれています。

自閉症スペクトラムとは?

最近では、自閉症・高機能自閉症・アスペルガー症候群などと、子どもを診断名で分類するのではなく、自閉性障害を大きくとらえる「自閉症スペクトラム」という考え方が広まりつつあります。

自閉症スペクトラムの概念の利点は、個々の障害を区別せず、子どもの状態を的確にとらえ、ひとりひとりに応じた適切な治療や支援を行えることにあります。

子どもは日々成長し、発達障害の支援を受けることで状態も変化していきます。最初につけた診断名にとらわれた対応や接し方では、必ずしも適切な支援につながるとは言えません。

子どもの状態をひとりひとり理解し、どんな問題を抱えているのか、何が困難なのかを把握し、子どもが必要としている支援を行なっていくためにも「自閉症スペクトラム」という捉え方は重要だと考えられます。

自閉症のタイプについて

自閉症には、①言葉の発達の遅れ、②人間関係、コミュニケーションの困難、③特定のものや場所への強いこだわり、の3つの行動的な特徴がありますが、子どもによって特性のあらわれ方は異なります。

例えば、言葉の遅れはないが対人コミュニケーションが苦手な子、こだわりが強い子、なかなか言葉を話さないが人懐っこくこだわりが強くない子など、個人差があります。

知的障害においても、重いケースから軽いケースまで様々です。

また、アスペルガー症候群は自閉性障害の一種ですが、自閉症と似た症状を持ちながらも、言葉の遅れがない点が特徴的です。

自閉症を含む自閉性障害では、さまざまなタイプが存在し、特性のあらわれ方や症状の重さも一定ではありません。

そのため、どこからどこまでが自閉症で、IQがどれくらいなら高機能自閉症になるのか、自閉傾向があっても自閉症と診断されない子がいたり、自閉症と診断されても日常生活に支障が少ない子もいて、境界線はあいまいなものであると考えられます。

◆この記事は、お茶の水女子大学大学院教授である榊原洋一先生執筆・監修「図解よくわかる発達障害の子どもたち(ナツメ社)」の内容に基づいて、当サイト運営事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。

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