自閉症の薬物治療は?薬の種類について

自閉症の治療の中で、薬を使用した薬物治療が行われるケースもあります。

そこで今回は、自閉症の治療における薬物療法、薬の種類について書き進めたいと思います。

スポンサーリンク

自閉症の治療に薬物療法は効果があるの?

自閉症の治療の中で、薬による治療が必要なケースがあります。

自閉症の子どもが激しいパニックを起こしたり、てんかん発作を伴っていたり、昼夜逆転した生活をしていると、自閉症本人や家族の生活に支障をきたすことも少なくありません。

そうしたケースでは、症状を一時的に抑えるために薬を使い薬物治療を行うことがあります。

使用される薬は症状によって異なり、てんかん発作(けいれん)では抗てんかん薬を、多動が激しい場合には中枢神経刺激薬、パニックが激しい場合には抗うつ薬、夜なかなか寝付けない場合には催眠効果のある薬が使用されます。

薬の副作用が怖い?不安や疑問がある場合

こうした薬の多くは、脳神経に作用するため、子どもが飲んでも大丈夫なのか不安になる親も少なくありません。

ですが、医師は、子どもの様子を十分に診察した上で薬物治療が必要であると判断した場合においてのみ、安全性と効果性が確立した薬を処方するので心配しなくても大丈夫でしょう。

逆に薬を使用せずに、自閉症の子どもの生活や心理状態が不安定になる方が症状が悪化してしまう可能性があります。

薬について不安や疑問があるときは、医師に質問し、納得した上で医師の指示に従って薬を服用することが大切です。

自閉症で使用される薬の種類について

自閉症の薬物治療の際に使用される薬には、次のような種類があります。

・抗てんかん薬
・中枢神経刺激薬
・感情調整薬
・SSRI

医師は、薬を処方する際に、薬の副作用や子どもの発達への影響などを慎重に考慮しています。心配な場合には、親から医師に薬について説明を求め、納得した上で用法・用量を守って服用させるようにしましょう。

スポンサーリンク

抗てんかん薬

自閉症の薬物治療において、抗てんかん薬を処方するのは、てんかんを合併しているケースです。てんかんのけいれん発作を起こす場合に、脳内の興奮を抑制する目的で抗てんかん薬が使われます。

【抗てんかん薬の種類】
・カルバマゼピン(テグレトール)
・バルプロ酸ナトリウム(デパケン)

中枢神経刺激薬

中枢神経刺激薬は、自閉症に合わせてADHDを合併していたり多動が目立つケースで使用されることがあります。注意力や集中力を強化することを目的として使われます。

【中枢神経刺激薬の種類】
・メチルフェニデート(コンサータ)

感情調整薬

自閉症のうち、光や音などの外部刺激に過敏に反応してしまうケースで、パニックを起こしてしまうほどの反応がみられる場合に、感覚過敏をやわらげる目的で感情調整薬が使用されます。

【感情調整薬の種類】
・リスペリドン(リスパダール)

SSRI

SSRIは、不安や恐怖によるパニックを起こしやすい自閉症の場合に、感情を安定させることを目的として使用されます。

【SSRIの種類】
・パロキセチン(パキシル)
・フルボキサミン(テプロメール)

自閉症は現代の医学では治せない?

自閉症の発症原因である脳機能の障害は、現代の医学では治すことがまだできないといわれています。

しかし、脳機能の問題によって生じる不適応行動や認知の困難さは、適切な支援や環境を整えることで改善されていきます。

長期間にわたって適切な支援や対応を続けていくことで、自閉症の子であっても苦手なことが徐々にできるようになり、状況に応じた行動ができたり、対人コミュニケーションがとれるようになっていきます。

逆に、適切な支援がない場合、自閉症の子どもは常に不安や緊張状態になり、パニックになりやすく、常同行動が増えたりすることもあります。

自閉症の支援はできるだけ早い時期から始めることが望ましいとされています。

◆この記事は、お茶の水女子大学大学院教授である榊原洋一先生執筆・監修「図解よくわかる発達障害の子どもたち(ナツメ社)」の内容に基づいて、当サイト運営事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。

スポンサーリンク