【アスペルガーの原因は?】家族性、遺伝子、脳、ミラーニューロン

アスペルガー症候群の発症原因については、様々な研究がおこなわれています。その中で、アスペルガー症候群には家族性がある、ということがわかっています。

アスペルガー症候群は、自閉症と同じように複数の遺伝子の変異が関係していて、脳機能が通常とは違った働き方をすることが要因となって発症すると考えられています。

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家族性がある【アスペルガー症候群の発症原因】

アスペルガー症候群には、家族性があることがわかっていて、親や親戚の中にアスペルガー症候群の人がいる場合には、子どももアスペルガー症候群になりやすいことが知られています。

このことから、アスペルガー症候群の発症原因について、自閉症などと同じように複数の遺伝子が関係していると考えられていますが、「親から子どもへ遺伝する」というほど強い関連性とまではいえません。

自閉症スペクトラムに共通する発症原因として、発症と何か関係がある遺伝子が複数あり、それらの変異によって、結果的に脳機能が通常とは違う働きをして、独特な行動や感覚が生じてしまうと考えられています。

脳機能の異常とアスペルガーの症状

自閉症やアスペルガー症候群などの自閉症スペクトラムに共通している特徴に「脳機能の特異性」があります。

そもそも脳にはそれぞれの部位が担う働きがあるのですが、アスペルガー症候群の場合、以下のように、自閉症と同じような脳の部位において活動低下がみられます。そのため、行動や認知において特異性がみられるのです。

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【側頭葉】
人の顔に関心を持ち、意識して人の表情を読み取ろうとする働き

【前頭前野】
相手の立場にたって物事を考える「心の理論」
作業を適正な手順でおこなうために必要な記憶を一時的に保存しておく「ワーキングメモリー」

【扁桃体】
不安や恐怖などの常道をコントロールする

【前帯状回】
必要な情報を選び、不要な情報を排除する「選択的注意」

ミラーニューロンの働きが弱い

人間の脳には、相手の表情や動きを見て真似をする機能があることも明らかになっています。そうした脳機能は、他人を観察し、まるで鏡のように映し出すことから「ミラーニューロン」と呼ばれています。

自閉症スペクトラムの場合、このミラーニューロンの働きが弱いという研究報告もあります。

アスペルガー症候群や自閉症の子どもの場合、他人を真似したり、相手の立場や感情を察することが苦手な特徴がありますが、そうした特性とミラーニューロンの働きにも関連性があると考えられています。

まだまだよくわからないことが多い

アスペルガー症候群が発達障害として認知されるようになってきたのは、まだごく最近のことです、そのため、歴史も浅く、研究段階の真っ只中にあるといえます。

また、医師や研究者によって、アスペルガー症候群の概念や捉え方も異なっているのが現状です。

アスペルガー症候群は自閉症や他の発達障害とどのような関係があるのか、発症原因は何か、今後のさらなる研究成果を待たなければならない部分が多く、まだまだよくわかっていないことが多い障害なのです。

◆この記事は、元東京大学医学部附属病院小児科医長、お茶の水女子大学大学院教授の榊原洋一執筆・監修「ササッとわかるアスペルガー症候群との接し方(講談社)」の内容を元に、当サイト運営事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。

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