読み書き障害の原因は?脳機能と文字理解の神経回路【LD学習障害】

LD学習障害の中でも最も割合が多いといわれているのが「読み書き障害(ディスレクシア/失読症)」です。

「読み書き障害」はその名のとおり、文字や文章を読むのが困難or読めない、文字をきれいに書けない、左右逆の字を書いてしまう、行や枠内に字をおさめることができない、など、知的障害ではないのに「読む」「書く」という能力において困難が生じてしまうLD学習障害のひとつです。

スポンサーリンク

読み書き障害の脳機能の異常が原因なの?

読み書き障害を含め、LD学習障害の原因は、現在の研究ではまだはっきりと解明されていませんが、様々な研究がおこなわれています。

LD学習障害である「読み書き障害」も、他の発達障害と同じように、先天的(生まれつき)、脳の一部の機能が十分に働からないことが原因となって生じる障害と考えられています。

LD学習障害は、文字や数字を理解することが困難である、というのが大きな特徴ですが、「文字の理解」についての脳機能の研究は比較的進んでいます。

脳の部位のうち、左頭頂葉の「角回(かくかい)」という部位は、文字を読んだり書いたりする機能の中枢であると考えられています。この角回の部分に脳出血や脳腫瘍をおこすと、文字が読めなくなる失読症になる、という研究報告もあります。

前頭葉のブローカ野も関係がある

こうしたことを踏まえて、読み書き障害(ディスレクシア)の子どもとそうではない子どもについて、文字を読むときの脳の活動状態を調べたところ、読み書き障害(ディスレクシア)の子どもの脳の「角回」の働きが低いことが明らかになったのです。

スポンサーリンク

また、同じ研究において、読み書き障害(ディスレクシア)の子どもの脳の前頭葉の一部の働きが活発ではないことも分かりました。その部分は「ブローカ野」といわれ、運動性言語の中枢で「言葉を音にして口から発する機能」を担っているといわれています。

このように、読み書き障害(ディスレクシア)の子どもたちが、文章を読む、文字を書く、という能力に困難が生じる要因として、左頭頂葉の角回や前頭葉のブローカ野など脳機能の働きが深く関連していると考えられます。

文字理解の神経回路について

文字を理解する神経回路は、次のような流れになります。

①視覚or聴覚で言葉を認知する

②認知した言葉を文字または音に対応させる

③言葉の意味をとらえる

④言葉を記憶にとどめる

⑤必要の応じて、文字または音で表出する

読み書き障害(ディスレクシア)では、この文字理解の神経回路の流れのどこかに不具合が生じていると考えられます。

①の視or聴覚で言葉を認知することに問題はなくても、次の②言葉を文字や音に結びつけることに困難があるケーやス、認知した言葉を意味も理解した上で記憶にとどめられるけど、⑤で文字を書いたり、発音したりする段階でつまづきがあるケースなど、不具合が生じる部分は人によって違いがあり、つまづきの内容も変わってきます。

同じ「読み書き障害」であっても、ひとりひとり、つまづいている段階を見極めた上で、その部分を補うような対応を考える必要があるといえます。

国語以外の教科にも影響する

読み書き障害の場合、教科書を読む、漢字を書くなど、国語の学習に最も支障が出やすいのですが、国語以外の他の教科の学習にも影響を及ぼすことになります。

例えば、算数、社会、理科などの教科も、教科書やプリントに書かれている文字を読むのに時間がかかったり、文章を間違えてしまうことが多くなります。

その結果、なかなか授業内容が理解できず、勉強が遅れがちになってしまうことが考えられます。また、テストの際にも、問題文を理解するのに時間がかかって時間が足りなくなってしまい、成績が振るわないというLD学習障害の子どもも少なくありません。

スポンサーリンク