読み書き障害の診断基準について、自己チェック方法は?【LD学習障害】

最近、小学校や中学校などの教育現場においても、発達障害の認知度、関心が高まってきています。

発達障害の中で、学習面に困難が目立つのが「LD学習障害」で、特に多いとされているのが、読み書きに困難がある「読み書き障害」です。

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そこで今回は、LD学習障害(読み書き障害)の診断基準や自己チェック方法についてポイントをまとめてみたいと思います。

学習の遅れが著しいLD学習障害

読み書き障害を主とするLD学習障害のほとんどは、小学校に入学後、学年が上がっていくにつれて、授業についていけず、学習面の遅れが目立つようになり、学校の先生や親が気づくのが一般的です。

本人はなまけていたり、さぼっているわけではないのに、ある特定の教科の理解度が1学年から2学年遅れるという場合には、LD学習障害を疑った方がいいかもしれません。

小学校のなかには、LDチェックリストを使って、子どもがLD学習障害かどうかの判定をしているところもあります。チェックの結果、LD学習障害の可能性があると思われる場合には早めに病院に相談するようにしましょう。

LD学習障害が疑われるケースでは、小児神経科や児童精神科の専門医、心理学の専門家などに相談し、診察、検査、アセスメントを実施して、LD学習障害かどうかの診断(判断)を行います。

読み書き障害の診断は難しい【LD学習障害の判断】

LD学習障害は「読み書き障害(ディスレクシア)」を中心とする障害という共通認識はありますが、随伴症状が多く、他の発達障害との合併や併発のケースも多く、全体像がつかみにくい障害といえます。

また、LD学習障害の原因については、脳機能が関連していると考えられていますが、まだはっきりとは解明されていません。そのため、医療現場においても、LD学習障害を診断するための客観的な基準がきっちりと定まっていないのが現状です。

医師が診察する際には、子どもとの面談、親からの話(出征歴、発達歴、既往歴など)などの様々な情報をもとに、知能検査の結果も考慮しながら、読み書き障害などのLD学習障害
かどうかを診断します。

診断の際には、知的障害がないか、ADHDや自閉症はないか、などの鑑別も重要になります。また、ADHD、高機能自閉症、発達性協調運動障害との合併がないかについてもチェックする必要があります。

読み書き障害(ディスレクシア)の自己チェック

最近では、日本国内においても、読み書き障害(ディスレクシア)を早期に判断するための検査「小学生の読み書きスクリーニング検査」(インテルナ出版)が開発されています。

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この本は、読み書き障害(ディスレクシア)の確定診断ではなく、疑いがある人を検出する「スクリーニング」を目的としています。

小学生1〜6年生の各学年について、ひらがな、カタカナ、漢字の読み書きを実施して、正答率が標準値に達しているかをみるものです。

ただ、この検査では、読み書き障害(ディスレクシア)の検出はできますが、様々なLD学習障害のタイプすべてに対応しているわけではありません。今後、LD学習障害を客観的に判断できる検査方法や診断方法の研究開発が求められます。

文部科学省によるLD学習障害の判断基準

日本の文部科学省では、LD学習障害かどうかを判断する基準として「学習障害の判断・実態把握基準と留意事項」を定めています。(記事の最後に載せておきます)

この判断基準は、学校などの教育現場において、発達障害の子どもを支援する専門家チームが子どもを評価・判断する際に使う基準になります。

評価項目は、「知的能力の評価」「国語などの基礎能力の評価」「医学的な評価」「他の障害や環境的要因が直接的原因でないことの判断」から成り、専門家チーム(教師、心理学の専門家、医師、教育委員会の職員)の全員の了解に基づいて判断することが原則となっています。

LD学習障害の判断基準と留意事項(文部科学省による)

文部科学省による「学習障害の判断・実態把握基準と留意事項」は次のような内容になっています。
(参考「学習障害児に対する指導について(報告)」1999年)

A:知的能力の評価

①全般的に知的発達の遅れがない
・個別式知能検査の結果から、全般的な知的発達の遅れがないことを確認する。知的障害との境界付近の値を示すとともに、学習の基礎的能力に特に著しい困難を示す場合は、知的発達の遅れの程度や社会的適応性を考慮し、知的障害としての教育的対応とLD学習障害としての教育的対応のいずれが適当か判断する。

②認知能力のアンバランスがある
・必要に応じ複数の心理検査を実施し、認知能力にアンバランスがあること、その特徴を確認、把握する。

B:国語などの基礎的能力の評価

「国語などの基礎的能力に著しいアンバランスがある」

校内委員会の提出資料から、国語などの基礎的能力に著しいアンバランスがあることと、その特徴を把握する。ただし、小学校高学年以降は、基礎的能力の遅れが全般的な遅れにつながっていることがあるので留意する。

国語などの基礎的能力の著しいアンバランスは、標準的な学力検査などの検査、調査により確認する。国語などについての標準的な学力検査を実施している場合には、その学力偏差値と知能検査の結果の知能偏差値の差がマイナスで、その差が一定の標準偏差値以上であることを確認する。

C:医学的な評価

LD学習障害の判断にあたっては、必要に応じて医学的な評価を受けることとする。

D:他の障害や環境的要因が直接の原因ではないことの判断

・ADHDや広汎性発達障害(自閉症)が学習上の困難さの直接的原因である場合はLD学習障害ではないが、ADHDとLDが重複する場合があることや、一部の広汎性発達障害とLDの近接性により、ADHDや広汎性発達障害の診断があることのみでLDを否定せずに、慎重な判断を行う必要がある。

・発達性言語障害、発達性協調運動障害とLDは重複して出現することがあり得ることに留意する必要がある。

・知的障害とLDは基本的には重複しないが、過去に知的障害と疑われたことがあることのみでLDを否定せず「A:知的能力の評価」の基準により判断する。

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