LD学習障害に多い「読み書き障害」約80%がディスレクシア/失読症

LD学習障害に多い「読み書き障害」約80%がディスレクシア/失読症

LDは日本語で「学習障害」といわれる発達障害のひとつです。知的障害がないのに、言葉の読み書きや計算、図形の理解などができない状態を指します。

そのLD学習障害の中でも「読み書き障害」もしくは「読字障害」と呼ばれるディスレクシア(失読症)の割合が一番多いといわれています。

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LD学習障害の定義

LDとは、英語で「Leraning Disorder」または「Learning Diabilities」の略称で、日本語では「学習障害」という意味になります。ただ、現在、LDの定義については、世界で共通して認められている定義はなく、海外の国と日本とでは若干内容が異なっている点もあります。

日本で最も多く使われているLD学習障害の定義は、1999年に文部科学省が定めた「知的発達に遅れはないが、聞く、話す、読む、書く、計算する、または推論する能力のうち、特定のものの習得と使用に著しい困難を示す様々な状態」となっています。

それに対して、医師がよく使うアメリカ精神医学会の診断分類「DSM-5」では、 LDは、①読みの障害(Reading Disorder)、②書くことの障害(Disorder of Writen expression)、③算数障害(Mathmatics Disorder)の3つの障害からなるものと定義されています。

DSM-5では、「話す、聞く、推論する」という点において、日本の文部科学省が定めたLD学習障害の定義と違いがあります。

LD学習障害の定義【日本の文部科学省による】

「学習障害とは、基本的に全般的な知的発達に遅れはないが、聞く、話す、読む、書く、計算する、または推論する能力のうち、特定のものの習得と使用に著しい困難を示す様々な状態を指すものである。
学習障害は、その原因として、中枢神経系になんらかの機能障害があると推定されるが、視覚障害、聴覚障害、知的障害、情緒障害などの障害や、環境的な要因が直接の原因となるものではない」

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LD学習障害に多い「読み書き障害」|ディスレクシア(失読症)

LD学習障害の中でも、最も多いといわれているのが「ディスレクシア(Dyslexia)」で、「失読症」や「読字障害」、「読み書き障害」と呼ばれることもあります。

ディスレクシア(失読症)の人は、知的障害はなく、日常会話においても問題は生じません。しかし、文字で書かれている文章を読むとなると、読めなかったり、読めても時間がかかってしまう、という症状があらわれます。

また、文字を書く際にも、形が似ている別の字と書き間違いが多かったり、左右逆になっている鏡文字を書いてしまったりすることもあります。

文字を「読む」「書く」の両方の面において、困難な症状がみられることから、「読み書き障害」と呼ばれることも多いようです。

読むことが苦手な子供は、書くことにも困難が生じやすいのが特徴といえます。読みことに問題はなく書く方だけ、またはその逆、など一方だけに問題があるというケースはほとんどないとされています。

「読み書き障害」とよばれるディスレクシア(失読症)は、LD学習障害の患者の中でも最も多く、約80%の割合を占めているといわれています。

ディスレクシア(Dyslexia)とは?

ディスレクシア(失読症)とは、欧米諸国などアルファベットを使用する国では、100年以上前から知られていました。

英語やドイツ語など、アルファベットを使う言語は、同じスペルでも発音が違う、というように、日本語とは違う「読み」の難しさがあります。

特に「 a,e,i,o,u」の母音の発音は何種類もあり、単語によって読み方が変わってきます。例えば、「Apple(アップル)」では「a(ア)」と発音しますが、「April(エイプリル)」では「a(エイ)」と発音します。

アルファベットを使った言語が多い欧米諸国では、こうした発音の使い分けが多く、ディスレクシアの人は混乱しやすいといわれています。

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