発達障害は犯罪を起こしやすい、は本当?報道メディアの印象操作か

一般的なイメージとして「ADHDやアスペルガー症候群などの発達障害者は犯罪をおかしやすい」と思っている人も少なくありません。これはある意味、マスコミの報道の仕方による影響とも言える部分もあります。

では「発達障害だと犯罪者になりやすい」というのは本当なのか、嘘なのか、実際のところはどうなのでしょうか。 TVや新聞で言われる「発達障害と犯罪の関係」は正しいのでしょうか、それとも間違っているのでしょうか。

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「発達障害は犯罪を起こしやすい」は本当?

多くの人々が驚くような、社会的に衝撃的な事件(殺人事件や暴行事件など)が起きたとき、その加害者(犯人)が発達障害者だとわかると、テレビや新聞などの報道メディアは「発達障害と犯罪の関連性」について過剰に取り扱って「発達障害者が犯罪を犯したこと」を強調する傾向があるのは否めません。

しかし、実際には、ADHDやアスペルガー症候群などの発達障害者が発達障害のない普通の人と比べて犯罪を起こしやすい、というデータはありません。

TVのワイドショーやニュース、新聞など、マスメディアでの報道の仕方が、あたかも「発達障害者だと犯罪をおこしやすい」という誤解を視聴者に与えてしまっている、という感は否めません。

実際のすべての事件において、加害者が発達障害であることと犯罪行為に至った原因がまったく無関係である、とは言えないでしょうが、「発達障害者は犯罪行為をしやすい」という認識は大きな誤解であり、また発達障害者に対する偏見や誤った先入観と言えるでしょう。

差別的な価値観を持つことなく、発達障害であってもそうでなくても、ひとりの人間として、相手を尊重する気持ちを大切にして関わることが望ましいといえます。

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発達障害の悩み「生きづらい・居場所がない」

ADHDやアスペルガー症候群など、発達障害がある人(子ども)は、自分の考えていることや気持ちをうまく表現できない、相手の気持ちを察することが苦手、行動や感情を自分でコントロールできない、といった特性があるため、対人関係でつまずきやすい傾向があります。

そのため、周囲の人から誤解されることも多く、避けられたり、仲間はずれにされたり、いじめの対象になったり、孤立してしまうことも少なくありません。

そうなると、みんなが自分のことを受け入れてくれない、誰も自分のこと理解してくれない、分かってくれない、生きづらい、居場所がない、という悩みを抱えてしまいやすくなります。

ストレス解消が苦手な発達障害者

このように、発達障害がある人は、対人関係の衝突やトラブルが多くなりやすく、家庭でも、学校や職場などの人間関係でも、問題や悩み事が多くなりやすい傾向があります。

また、発達障害がある人は、ストレス発散やストレス解消をすることが苦手なことも多く、そしてその結果として、発達障害者が「行き過ぎすぎた行動」をしてしまうことがあります。

良き理解者や相談相手の存在が重要

ですが、もし発達障害の人のまわりに、良き理解者、支援者、相談相手などがいれば、状況は変わってきます。

物事が自分の思い通りにいかないときにどうしたらいいか、相手の気持ちをどう理解すればいいのか、コミュニケーションの取り方は、自分が嫌な気持ちになったときのストレスをどうやって解消すればいいのか、といったことについて、適切な対応やコミュニケーションスキルができれば「行き過ぎた行動」をせずに済むのです。

発達障害がある子どもを、将来、問題行動や犯罪に巻き込まないためにも、できるだけ早い時期から適切な支援をおこなうことが重要であるといえます。

◆この記事は、お茶の水女子大学大学院教授である榊原洋一先生執筆・監修「図解よくわかる発達障害の子どもたち(ナツメ社)」の内容に基づいて、当サイト運営事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。

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