【発達障害の対策】部屋づくりと環境整備、空間の構造化について

自閉症スペクトラムなど発達障害の子どものなかには、多くの情報にさらされると気が散ってしまい、集中できなくなる傾向があります。

また、物や場所へのこだわりが強いこともあり、生活しやすくするためには、部屋づくり、環境整備、空間の構造化が大切なポイントになります。

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発達障害は多目的空間が苦手

ごく一般的な子供部屋は、宿題などの勉強をする、遊ぶ、おやつを食べる、寝る、など、様々な行動をすることができる多目的な空間になっているものです。

ですが、発達障害の子どもの中には、ひとつの空間(部屋)が時間や状況によって活動目的が変わる、というルールを受け入れることが苦手な子どももいます。

例えば、自閉症スペクトラムの場合、目的と場所を関連づけて認識していることもあり、「何をしてもいい空間(部屋
・場所)」という設定に対して不安を感じることがあり、混乱してしまうこともあります。

こうした強いこだわりがある場合、「勉強するための机」では、学習以外のことはやりたがりません。同じ机で本を読んだり、絵を描いたりすることに抵抗を感じやすいのです。

空間の構造化とは?【発達障害の対応】

このような発達障害の子どもの対応としては、空間を目的に合わせて区別してあげる必要があり、目的別に空間を区切る(場所ごとに活動内容を決める)ことを「空間の構造化」といいます。

空間の構造化の例として、リビングはテレビを観たり家族団らんの場所、ダイニングはご飯を食べる場所など、部屋ごとに目的を明確にする方法があります。また、ひとつの部屋の中に仕切りをつくり、勉強する空間と遊ぶ空間を分ける方法もあります。

子ども部屋の中に仕切りをつくると、ひとつの空間が狭くなってしまいやすいのですが、自閉症スペクトラムなど発達障害の子どもの場合、狭い場所の方が精神的に落ち着く傾向があります。

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発達障害の子どもは、広い空間だと何をすればいいのかわからなくなり、不安になったり、パニックになってしまうことがあります。そこで、ひとつの場所にひとつの目的を持たせる「空間の構造化」をすることで、発達障害の子どもが混乱せずに生活しやすくなります。

空間の構造化のポイント「視界をさえぎる」

部屋などの空間を区切る場合、大切なポイントは「視界をさえぎる」ことです。

勉強するスペースから、おもちゃやゲーム、テレビなど、他の物が見えてしまうと気が散る原因になってしまいます。

とはいえ、わざわざ仕切り板などを使う必要はありません。タンスや本棚など家具のレイアウトを工夫してみましょう。本棚の前は読書のスペース、タンスのある場所は着替える場所、といったように仕切る方法も有効です。

余計な刺激や情報や減らすこと

発達障害の子どもは、多くの情報があると気が散ってしまい、集中できなくなってしまいがちです。ですので、余計な物を置かない、床に物が散らからないようにしておくことも大切です。

子ども部屋はきれいに整理整頓し、壁や机の上もできるだけ物を置かないように片付けておきましょう。

机の置き場所についても、窓が見えない場所、壁に向かっておく方がよいでしょう。窓が見えると外の景色が気になってしまい、注意が散漫になってしまう原因になります。

壁にもポスターやカレンダーは貼らず、できるだけシンプルな部屋づくりにすることがポイントです。本棚は中の物が見えてしまいやすいので、目隠しカーテンをつけるなど、棚の中や本の背表紙が見えない工夫をするとよいでしょう。

発達障害の子ども部屋の環境づくりのポイント

・不要な刺激、情報をできるだけ減らす
・学習スペース、遊びスペース、着替えスペースなど、目的別に空間を区切る
・できるだけ物を少なくして整理整頓しやすいようにする
・棚には目隠しカーテンをつけて、中が見えないようにする
・机の配置は壁に向かい、窓の外が見えないようにする
・壁にはポスターやカレンダーを貼らない
・机の上にはできるだけ物を置かない

◆この記事は、お茶の水女子大学大学院教授である榊原洋一先生執筆・監修「図解よくわかる発達障害の子どもたち(ナツメ社)」の内容に基づいて、当サイト運営事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。

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