【発達障害】教師の対応は?行事に参加できない、予定変更が苦手

【発達障害】教師の対応は?行事に参加できない、予定変更が苦手

発達障害の子ども中には、運動会や発表会などの行事が苦手で参加できなかったりするケースも少なくありません、

また、スケジュールや予定の変更を苦手とする発達障害の子どもや、感覚過敏があり、学校などでの集団生活や集団行動に支障をきたすこともあります。

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そうした場合、幼稚園や保育園、小学校の教師はどのように対処対応するのが望ましいのでしょうか。

【教師の対応】行事に参加できない発達障害の子ども

発達障害の子どものなかには、幼稚園や小学校なでの行事(運動会や学芸会、発表会など)への参加を苦手にしている子どももいます。

普段とは違う雰囲気に耐えられなかったり、たくさんの人に囲まれると不安を感じてしまう、という子どももいます。行事当日だけでなく、予行演習などの練習に参加できないケースもみられます。

このような発達障害の子どもに対して、教師はどのような対応や対処をすればよいのでしょうか。

基本的な対応としては「無理強いをしないこと」です。発達障害の子どもが「参加できない」と感じているのに、強制して参加させようとすると、さらに子どもが反発したり、不安感が強くなってパニックを起こしてしまう場合もあります。

有効な方法の例として、「部分参加」で子どもができる範囲で参加できるようにする、という工夫も効果的です。

例えば、みんなと一緒に運動場の中央にでて整列することはできなくても、端の方で気心知れた先生と一緒なら参加できる、というケースもあります。他にも、全部の演目や種目は参加できないけど、気に入っている演目だけなら大丈夫、という場合もあります。

発達障害の子どもに無理をさせることなく、できる範囲で参加できるように、教師としては参加方法を工夫する配慮が求められます。

発達障害だと予定変更に対応できない?

発達障害の中でも自閉症スペクトラムの場合、スケジュールや予定が変更することに対応できないことも少なくありません。

時間割が変更になったり、授業をいつもと違う場所で行うとなると、その「変更」を受け入れられず、参加できなくなってしまうのです。

「物の置き場所」について強いこだわりを持っている発達障害の子どもの場合、教室の中の備品の配置を変えただけで気持ちが落ち着かなくなり、不安定になってしまうケースもあります。

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変化や変更が苦手な発達障害の子どもに対しては、教師はできるだけ事前に変更があることを伝えるようにしましょう。「変わる」ということだけでなく、「変えた後どうなるのか」まで具体的に説明することがポイントです。

前もって変更を説明しておくだけで、発達障害の子どもも安心した気持ちになりやすく、予定変更が受け入れやすくなります。

どうしても急な変更になってしまう場合、発達障害の子どもは授業や活動に参加しなくないと意思表示をしたら、無理に参加させず、保健室など気持ちが落ち着ける場所で別の活動をさせましょう。

子どもの気持ちが安定してきたら、みんなの場所に戻ればいい、という臨機応変な対応が望まれます。

感覚過敏がある発達障害

発達障害のなかでも自閉症スペクトラムの子どもの場合、聴覚や触覚において「感覚過敏」があることがあり、学校生活に支障がでるケースもあります。

例えば、大きな音や声が苦手で、避難訓練のサイレンの音でパニックになってしまう発達障害の子どももいます。また、粘土やのりを素手で触ることができない子や、給食の中でどうしても食べられない食材がある、とうケースもあります。

こういった感覚過敏は、発達障害にみられる特有の症状であり、本人にとってはとても耐えられないほどの苦痛を感じるものです。しかし、その不快さが他の人にはなかなか理解できないため、軽視されがちです。

発達障害の感覚過敏は、子ども本人の努力でどうにかできるものではないため、教師としてはそのことを理解し、不快になる状況をつくらないようにしてあげる配慮が求められます。

避難訓練のときは音が聞こえにくい部屋に移動させる、粘土やのりを使うときは手袋をする、苦手な食材はひとくち食べれたらOKにする、などの配慮を心がけましょう。

「×」バツを嫌がる発達障害の子ども

発達障害の子どもの中には、学校のプリントやテストで「×(バツ)」をつけられることを極端に嫌がる子どももいます。

どうしても発達障害の子どもが「×(バツ)」を嫌がる場合には、無理につける必要はありません。その場合、間違った箇所はそのままにしておき、やり直して正解すれば「○」をつける、という対応も有効です。

満点(100点)をとらないと納得しない発達障害の子どもの対応としては、まず普通に採点する→間違ったところを直させる→全部できたら別の色のペンで「100点」と書く、などの方法もあります。

◆この記事は、お茶の水女子大学大学院教授である榊原洋一先生執筆・監修「図解よくわかる発達障害の子どもたち(ナツメ社)」の内容に基づいて、当サイト運営事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。

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