誤解や偏見も多い発達障害、カミングアウトした方がいい?

日本における発達障害についての認知度は、昔に比べると少しずつ広がってきてはいますが、正しく理解している人はまだまだそう多くはないのが現実です。

偏見や誤解をもたれることも少なくなく、場合によっては「発達障害である」ということをカミングアウトし、行動特性について説明し、周囲の人の理解や協力を得ることが必要になるケースもあります。

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偏見や誤解を持たれないために発達障害はカミングアウトすべき?

子どもに発達障害がある場合、親戚の人や近所の人に発達障害について知ってもらう必要が生じる状況になることもあるかもしれません。

必ずしも、発達障害についてこちらからカミングアウトしなければいけない、ということではありませんが、発達障害の子どもの言動が周囲の人を不愉快にしてしまったとき、発達障害の特性による不適応な行動であることを周囲の人に理解してもらう方がよいときもあります。

例えば、冠婚葬祭のときなど、厳粛な雰囲気の中で、ADHDの子どもがゴソゴソしたり、歩きまわってしまうことも考えられます。そんなとき列席した人たちは「行儀が悪い」「親のしつけがなっていない」「甘やかしすぎ」などの誤解や偏見を持たれやすいといえます。

そうした場面では、不快な思いをさせてしまった周囲の人たちに謝り、「子どもは落ち着いて座っていることがでず、軽はずみな行動を起こしやすい性質があるのです」などと行動特性について説明するとよいでしょう。

ここで「発達障害」「ADHD」などの具体的な障害名をカミングアウトするかどうか、は簡単な話ではありません。正しい知識を持っていない人に対して「障害がある」と伝えると、偏見や誤解、差別が生じてしまう可能性も考えられます。

言葉で説明する際には、「性質」「特性」「性格」などの表現を使い、具体的な行動特性について説明するようにするとよいでしょう。

カミングアウトするメリットについて

子どもが発達障害であることを、親戚の人や近所の地域の人にきちんと告げておく(カミングアウト)ことにもメリットがあります。

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発達障害の子どもが、より多くの大人から見守ってもらい、サポート&支援をしてもらることにもつながるのです。

発達障害の子どもに対して、どんな接し方や関わり方、言葉がけや注意の仕方が望ましいのか、地域の人や親戚の人にも説明しておくことで、コミュニケーションがとりやすくなり、子どもの長所についてもきちんと評価してくれることにもつながります。

社会のルールやマナーを教えてもらう

発達障害の子どもの日常生活のすべてに、親に目が届き、把握できるわけではありません。親の見ていないところで、発達障害の子どもが、どんな行動やふるまいをしているのか、気になったり心配する親もいることと思います。

近所の地域の人に、子どもの発達障害について理解してもらることができれば、街の中で見かけたときに声をかけてもらう、ということもできます。発達障害の子どもが何かに困っていれば助けてもらえることでしょう。

また、社会ルールやマナーに反することを子どもがしていれば、注意してもらうこともできます。「発達障害だから」と甘やかしていては、子どもが大人になったときに社会に馴染めなくなってしまいます。

注意をしてもらうときには、「大きな声は出さないでほしい」「後ろから声をかけても気づかないので、前から注意してほしい」など、発達障害の子どもの特性にあわせた具体的な方法も伝えておくとよいでしょう。

発達障害の理解をひろげることが重要

多くの人から見守ってもらえることは、発達障害の子どもにとって、社会生活を送っていく上で大切なことです。

将来、発達障害の子どもが成人してから出会う人の多くは、発達障害についてよく知らない人の方が大多数です。ですが、そういった人たちにこそ、発達障害について理解し、支援してもらわなければ、発達障害の人の社会的自立の実現は難しくなります。

現在、発達障害について一定の正しい知識をもち、理解している人は、親や学校の教師、医師やカウンセラーなど、まだまだほんの一握りしかいません。

それ以外の人たちにも、発達障害の特性や接し方を知ってもらい、発達障害の認知度&理解度を広げていくことが本来の発達障害の支援につながるのです。

◆この記事は、お茶の水女子大学大学院教授である榊原洋一先生執筆・監修「図解よくわかる発達障害の子どもたち(ナツメ社)」の内容に基づいて、当サイト運営事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。

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