強い不安が特徴、境界性パーソナリティ障害の症状は?

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強い不安が特徴、境界性パーソナリティ障害の症状は?

境界性パーソナリティ障害の診断の目安となる最も大きな特徴は「周囲の人から見捨てられるのではないか」という強い不安感です。

見捨てられ不安が特徴の境界性パーソナリティ障害

境界性パーソナリティ障害の人は、幼い頃から、親に見捨てられるのではないかという強い「見捨てられ不安」を抱えています。

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この不安感ゆえに、境界性パーソナリティ障害の患者本人は子どものことは「良い子の仮面」をかぶっています。

親に見捨てられないためには、良い子でいなければならないためです。

しかし、思春期になると、様々な葛藤に直面し、良い子にしているだけでは解決できない問題が出てきます。

このときに、幼い頃の不安「見捨てられ不安」がドッと溢れ出して、激しい感情を引き起こすのです。

子どもの頃の不安が境界性パーソナリティ障害の原因?

幼い頃に「親から捨てられるのではないか」という恐れを感じ、成長しても、心の奥底には「見捨てられ不安」がすり込まれています。

「見捨てないで!」
「私を置いていかないで!」

幼い頃に見捨てられたという現実はほとんどない

境界性パーソナリティ障害の場合、育児放棄などの問題があった例は、実際には多くありません。

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むしろ、親が忙しかったり、余裕がないために子どもを受け止めきれなかったなどの、愛情の行き違いが、境界性パーソナリティ障害の患者本人の心のなかに現像として残るのです。

子どもが無意識のうちに「見捨てられ不安」を抱えたまま成長しています。

恋人や友人との別れが恐怖や不安につながることも

親しい人や恋人との別れは、誰にとってもつらいことですが、境界性パーソナリティ障害の場合には、内心の不安と結びついて、激しい恐怖となってしまいます。

「自分は愛されていない、見捨てられてしまう」という、幼い頃からすりこまれた幻想が、思春期に再び頭に浮かんでくるようになります。

【日常の小さな出来事がきっかけになる】
友人とケンカをしたり、約束を破られたりすることなどがいっかけで、強い不安が噴出します。

【とくにきっかけがなくても、強い気持ちにおそわれることもある】
きっかけとなるできごとがなくても、突然、不安感におそわれることもしばしばあります。

激しい感情が境界性パーソナリティ障害の主な症状

境界性パーソナリティ障害の人は「見捨てられた!」と感じると、心の底にしまわれていた不安が、強い確信となって吹き出します。

「見捨てられ不安」を種として、激しい感情がわき上がります。

さまざまな思いが、同時に、あるいは次々に起こってきて、境界性パーソナリティ障害の問題行動の原因となるのです。

【感情の例】
①激しい怒り
②抑うつ
③やけくそ、自暴自棄
④不安
⑤絶望感
⑥孤独感、孤立感
⑦空虚感、むなしさ

◆この記事は、市橋クリニック院長、精神保健指定医の市橋秀夫先生執筆・監修「パーソナリティ障害のことがよくわかる本(講談社)」の内容に基づいて、当サイト運営事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。

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