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併発が多いパーソナリティ障害は社会問題と関係が深い?
社会問題の背景に、パーソナリティ障害が関係することも多くみられます。
併発が多いパーソナリティ障害
例えば、境界性パーソナリティ障害の人が、「見捨てられ不安」から自分を守るために、自己愛性パーソナリティ障害の傾向をともなうなど、人によっては、複数のパーソナリティ障害の傾向を持ち、併発している場合もあります。
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また、親子、兄弟など家族関係の中で、パーソナリティのかたよりが生じていることもあります。
この場合、家族だからといって、必ずしも同じ傾向を持っているとは限りません。
はっきりとした性格の親(強力な親)の子どもに依存傾向があったり、兄弟同士で自己愛性傾向と依存傾向の子どもがいるなど、正反対のパーソナリティが身近に存在するといった具合です。
パーソナリティ障害は社会的な問題と関連が深い
パーソナリティ障害は現代的な要素を多く含んでいて、それに伴う種々の問題もまた、社会的に急増しているものです。
例えば、暴力も、親子間の暴力から配偶者へのDVと発展するように、さまざまな問題の形が見られるようになっています。
また、拒食症や過食症など若い女性に多い摂食障害にも、自己愛性パーソナリティ障害が多いと言われています。
「誰にもできないようなダイエットに成功したい」「誰よりもやせたい」という競争原理が深く関係しています。
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落ち込み
・引きこもり
・不登校
・自殺企図
・リストカット、自傷行為
感情の爆発
・暴言
・暴力
・DV
・浪費
満たされない感覚
・摂食障害(拒食症、過食症)
・薬物依存
・アルコール依存症
パーソナリティ障害の種類一覧表
【周囲の人に関わっていくタイプ】
・依存性パーソナリティ障害
・演技性パーソナリティ障害
【中間のタイプ】
・反社会性パーソナリティ障害
・強迫性パーソナリティ障害
・妄想性パーソナリティ障害
【自分の世界にこもるタイプ】
・ジゾイドパーソナリティ障害
・回避性パーソナリティ障害
・統合失調型パーソナリティ障害
うつ病と誤診されるケースが多い
最近ではパーソナリティ障害が知られるようになり、最初からパーソナリティ障害と診断される人が増えていますが、以前は様々な病気に診断されていました。
パーソナリティ障害によっておこる周囲との「まさつ」を症状としてみると、さまざまな病気が当てはまるのが理由からです。
もっとも多いのは周りの人との関係がうまくいかなくなって、非常に落ち込んだ結果「うつ病」と誤診されるケースです。
境界性パーソナリティ障害と自己愛性パーソナリティ障害では、調子の良いときと悪いときの差が激しいため、「躁鬱病」とも間違われて診断されることもあります。
そのほかにも、パニック障害や内科的な病気を疑われることも少なくありません。
◆この記事は、市橋クリニック院長、精神保健指定医の市橋秀夫先生執筆・監修「パーソナリティ障害のことがよくわかる本(講談社)」の内容に基づいて、当サイト運営事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。
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