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パーソナリティ障害のカウンセリング治療の流れについて
精神療法(カウンセリング)は、パーソナリティ障害の治療の中心的な役割を担います。
実際にはさまざまな方法がありますが、考え方や流れについてみてみましょう。
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自分の事は自分では分からない
精神療法(カウンセリング)には、いろいろなやり方があります。
現在のところ、パーソナリティ障害の精神療法(カウンセリング)は、個々の医師の判断によるところが多く、統一のガイドラインはありません。
しかし、いずれの方法も、最終的にパーソナリティ障害の患者さんが自分自身の姿を受け入れ、考え方や行動の幅を広げることを目的としています。
自分のことは自分では意外とわからないものです。
パーソナリティ障害の治療において、医師、臨床心理士やカウンセラーは、いわば鏡のような役割を果たします。
鏡のくもりを取って、自分自身の本当の姿を見せ、どこに問題があったかを患者さんとともに見つけていくのです。
パーソナリティ障害を克服するためのポイント
精神療法さえ受ければ大丈夫、などといった他力本願、責任転嫁の考え方は、パーソナリティ障害の治療のさまたげになります。
ゆううつ感、イライラ感がおさまれば大丈夫
これらの不快感は、薬でもコントロールできます。しかし、そうした気持ちが生まれる元を治さないと、その気持ちから本当には解放されません。元に働きかけるには精神療法が必要です。
お医者さんが治してくれるはず
医師は、ガイドとして治療を導くだけです。その道のりを歩き、パーソナリティ障害を治すのは自分自身にほかなりません。
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私より家族が治療を受けるべきなのに
パーソナリティ障害の治療は、家族の協力があるとよりスムーズになることがあります。しかし、問題はあくまでも患者さんのものです。自分自身を変えていかないと、問題は解決しません。
自分自身を見つめ直し、ありのままを受け入れる
パーソナリティ障害の精神療法では、医師はあまり具体的な指示を出しません。
患者さんの話を受け止め、障害の仕組みを解きほぐし、少しずつ自分のことを理解できるようにします。
医師と話すことが、自分自身の心を見つめるきっかけになります。
①自分を見つめる
自分の中にある障害の仕組み(病理)が、自分で見えるようにします。
境界性パーソナリティ障害では、問題行動の根源にある「見捨てられ不安」に気づけるようにします。
自己愛性パーソナリティ障害では、強い自尊心の陰に、弱い無力な自分が隠れていることを受け入れるようにします。
②病理を自分で扱えるようにする
パーソナリティ障害によって怒る感情の嵐、不安や怒り、衝動を自分でコントロールできるようにします。
③健康なパーソナリティをつくる
より楽に、よりおだやかに自分の気持ちを保ち、対人関係を築けるよう、パーソナリティの機能を健康なものにしていきます。
精神療法(カウンセリング)の効果は自分次第
精神療法(カウンセリング)は、医師一人でおこなうものではありません。
何よりも必要なものは、パーソナリティ障害の患者さん本人が治そうとする気持ちです。
本人にその気がなければ、医師だけで治すことはできません
◆この記事は、市橋クリニック院長、精神保健指定医の市橋秀夫先生執筆・監修「パーソナリティ障害のことがよくわかる本(講談社)」の内容に基づいて、当サイト運営事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。
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