日本人に多い回避性・依存性・強迫性パーソナリティ障害の特徴とは?

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日本人に多い回避性・依存性・強迫性パーソナリティ障害の特徴とは?

・回避性パーソナリティ障害
・依存性パーソナリティ障害
・強迫性パーソナリティ障害

この3つのパーソナリティ障害の傾向は、多くの日本人に当てはまるものです。

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そのため、他のパーソナリティ障害よりも、社会適応の幅が広いという特徴があります。

直面できない、回避性パーソナリティ障害

回避性パーソナリティ障害の特徴

・実行する前にあきらめる
・実行すると後悔する

回避性パーソナリティ障害の場合、困難があらわれると、困難を避けることで自分を守ります。やりたいことがあっても、自分にはきっと無理だろうとあきらめてしまい、思い切ってやってみた場合は、やらないほうがよかったのではと思い悩みます。

対応のポイント

面倒なこと、たいへんなことをやりたくないと思うのは自然な感情です。周囲は「やらなきゃだめだ」などと義務感をあおったりせず、本人の「やりたい」と思う気持ちを助けましょう。

自分で決められない、依存性パーソナリティ障害

依存性パーソナリティ障害の特徴

・自分で答えを出せない
・誰かいないと不安になる

依存性パーソナリティ障害は、誰かの助言なしには自分で物事を決められず、相手が間違っていると思っても、それを口に出せません。ほかのパーソナリティ障害を併せ持っていることがよくあります。

対応のポイント

代わりに答えを出すのではなく、「あなたはどれがいいと思う?」など、自分で判断したり、決める練習をします。失敗したときには責めてはいけません。

ルール通りでないと気がすまない、強迫性パーソナリティ障害

強迫性パーソナリティ障害の特徴

・自分のルールにこだわる
・いい加減さ、ミスが許せない

強迫性パーソナリティ障害は、自分で決めたルールや型通りのやり方にこだわり、完璧にできないと気がすみません。ルールがないところや、急な変化を嫌う傾向があります。

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対応のポイント

多少偏屈なところがあっても、なるべく本人のルールを尊重しましょう。コツコツとやるタイプなので、向いている仕事や作業をすすめると本領を発揮することがしばしばあります。

日本人に多い回避性パーソナリティ障害

これらの3つのうち、もっとも多いのは回避性パーソナリティ障害です。

DSM-Ⅳの診断基準に忠実に従うと、実は、日本では多くの人が回避性パーソナリティ障害に当てはまります。

回避性パーソナリティ障害の症状の程度が重ければひきこもりの原因となり、専門的な治療が必要になりますが、多少の不便はあっても社会でそれなりにうまくやっていけるケースも多く見られます。

親からの自立が解決の糸口に

回避性パーソナリティ障害では、親が子どものことを何でも決めてしまうパターンが、子どもの中に深く根付いているケースが多いようです。

親は子どもの傾向を「弱さ」と片づけがちです。

回避性パーソナリティ障害の治療では、子どもの自立心を養い、多くのケースでは、親からの自立が大きなテーマになります。

回避性パーソナリティ障害の原因は親との関係

親が強く子どものすることに干渉したり、支配したりすると、子どもは自分では何も決定せずに親に依存する傾向が出てきます。

その結果として、回避性パーソナリティ障害と診断される人が多く見られます。

親のNGワード

「あなたには決められないよ。これがいいよ。」
「やっぱり無理だったでしょ?」

子どもに無理と決めつけると、子どもはその通りに弱くなり、自分で判断する力を失います。

また、失敗したときに「やっぱり」と言われると、子どもは自分には能力がない、何をしてもムダだと信じこみます。

自分を表に出すことが心を強くする

・自分の気持ちを口に出す
・休むことをマイナスに考えない
・いろいろな可能性を考える

回避性パーソナリティ障害の人は、主体的に考え、それを表現するのが苦手です。

まずは、自分の気持ちを口に出すことから始めましょう。

疲れたり、失敗したら休んでもかまいません。

とにかやってみることが、世界を広げる第一歩です。

◆この記事は、市橋クリニック院長、精神保健指定医の市橋秀夫先生執筆・監修「パーソナリティ障害のことがよくわかる本(講談社)」の内容に基づいて、当サイト運営事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。

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