目次
自己愛性パーソナリティ障害を克服するためのポイント
自己愛性パーソナリティ障害を完治させて克服するためには、患者本人も家族のどちらも、治療経過に目を向け努力することが大切です。
自分だけではなく、家族のみんなが心がけることで、よりよい家族関係が築けます。
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家族の接し方の基本[自己愛性パーソナリティ障害]
家族は、自己愛性パーソナリティ障害の患者本人と対等に接するようにしましょう。
無理に力で抑えようとしたり、逆にへりくだって機嫌を取るような対応は逆効果です。
家族はコロコロと態度を変えないこと
自己愛性パーソナリティ障害の患者は激しく怒り、それが家庭内暴力(DV)となって現れることもあります。
ですが、状況によって家族がコロコロと態度を豹変させると、患者本人の怒りはますます大きくなってしまいます。
家族は一貫した態度で本人と接するように心がけましょう。
へりくだらない
自己愛性パーソナリティ障害の患者本人に対して、はれものにさわるように接したり、へりくだることは、受容とは違います。
自己愛性パーソナリティ障害の本人の気持ちや悩みについて、理解しよう、分かろうと努力する姿勢を示しましょう。
結果よりも過程・経過を評価する
「1か100か」の考え方から脱出するためには、「できることが増えていく」経過を楽しむように発想を変えなくてはなりません。
他人が自分をどのように評価するかよりも、自分自身がどう感じているかに目を向けてください。
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時に「こんなことではダメだ」と感じるかもしれませんが、あせってはいけません。
今、ひとつひとつやっている自分こそが、等身大の自分にほかなりません。
経過を楽しむことが、等身大の自分の感覚を生むのです。
家族全員で協力する
自己愛性パーソナリティ障害の治療は、患者一人で行うよりも、家族の協力があるほうがよりうまくいきます。
家族もまた、結果しか評価しない考え方をやめて、患者さんの努力に目を向け、励ましてあげましょう。
自己愛性パーソナリティ障害の患者と家族がすべきこと[まとめ]
結果より経過を大切にする。
患者
【楽しみを見つける】
工夫を重ねたり、思わぬ発見をしたり、小さなことでも、経過を楽しむように心がけます。ゴールを見るのではなく、そのときやっていること、その日の成果を自分なりに評価してください。
【上昇ではなく前進を】
上を目指すのではなく、地道な努力で前へ進む気持ちを持ちましょう。時には後戻りしてもかまいません。元気が出たら、また進めばよいのです。
家族
【してあげるより、わかってあげる】
患者さんにとっては、プレゼントをもらったり、何かをしてもらうよりも、気持ちを分かってもらうことが何よりの助けです。患者さんの気持ちを思いやり、向き合う姿勢を示しましょう。
【プロセスを評価する】
患者さんががんばっていること、それ自体を評価します。たとえばテストが50点だったら、50点とれたことを評価し、次に60分になれば、10点あげたその努力をねぎらってください。
◆この記事は、市橋クリニック院長、精神保健指定医の市橋秀夫先生執筆・監修「パーソナリティ障害のことがよくわかる本(講談社)」の内容に基づいて、当サイト運営事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。
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