認知行動療法でネット依存症を治すために必要なことは?

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認知行動療法でネット依存症を治すために必要なことは?

ネット依存症を治すための治療では、認知行動療法がベースになっています。

認知行動療法とは、ネットに対する見方、つまり認知を修正する治療法です。

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診察や問診時のディスカッションは、医師やカウンセラーなどの治療者と患者さんとの一対一、あるいは数人のグループでおこないます。

問題に気づき病気の自覚を持つ

ネット依存症の患者本人が医師と話したり、同じネット依存症の人たちとディスカッションすることで、ネットとはなにか、自分にとって何だったのかを再確認していきます。

「ネットは楽しい、面白い」ただそれだけのために、自分のすべてを犠牲にしてきたことに、ネット依存症患者はあらためて気づきます。

そのプロセスを経て、今自分が抱えている問題がどのくらい大きいかがわかるのです。

診察で

ネット依存症患者は、診察時に毎日の記録を見ながら、ネットの使い方について客観的に医師と話し合います。

【よい点・悪い点】
自分にとって、なにがよかったか、わるかったかを考える。

【5年後・10年後を】
自分が将来どうなっているか、どうなりたいかを想像してみる。

ネット依存症患者本人が訴える自覚症状

ネットにどのように依存していたか、ネット依存症患者は次のような自覚症状を訴えることが多いようです。

・ネットをしていないときでも、ネットのことばかりを考えている。
・ネット以外に楽しいことはない。
・ネットがないと、暇で暇でしょうがない。
・週末になると「これでゆっくり休める」ではなくて「これで心おきなくネットができる」と思う。
・もうネット上ですることもないのに、ついネットを開いてしまう。
・ブログが気になって、つい一日に何度も見てしまう。
・家族にネットのことを言われると
イライラする。
・ネットをしていると食べる時間がもったいない。
・現実の異性に興味がない。

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ネット依存症患者同士のグループディスカッションという治療方法も

ネット依存症の治療では、患者数人でグループをつくり、ディスカッションをする方法もあります。

今まで自分は何をしてきたのか、どんなサイトで遊んでいたのかを発表したり、よかったこと、わるかったことを考えてみたりするなど、毎回テーマが設定されます。

グループディスカッションには医師などの治療者がつき、司会進行の舵取りをします。

最初のうちは、悪い点がみつからないが、徐々にあげられるようになります。

いい点はバーチャル世界のことばかりなのに、悪い点はすべてリアルの世界のこと、問題は現実に起きているという事実に気づきたいものです。

ネットのいい点

・楽しいし、おもしろい
・最高の娯楽でストレス解消
・ネット上に友達ができた
・コミュニケーションがとれる
・ネットなら自分を出せる
・万能感が得られた
・ネット上の人達は優しい

いくつでもあげられると自分では思う。ただ、同じような状態の人のグループで、同じような意見ばかりが出てくる。

話題がすべてネットの上のバーチャルなものだけで、リアルの世界ではないので話が広がらない。

ネットの悪い点

・体力がなくなった
・時間がとられた
・バイト代を全部つぎ込んだ
・食生活が乱れた
・学校に行かなくなった
・睡眠不足になった

悪いことをしているとは思っていないので、悪い点を挙げられない。他の人の言うことを聞き、そういうこともあるのかな、と思う程度。

徐々に認知(とらえ方・考え方)が変わり、見過ごせない問題があることに気づき始める。

◆この記事は、独立行政法人国立病院機構 久里浜医療センター院長、精神科医である樋口進先生執筆・監修「ネット依存症のことがよくわかる本(講談社)」の内容に基づいて、当サイト運営事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。

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