ネット依存症・ゲーム依存症患者への言葉がけ、言ってはいけないこと
ネットに依存しているときに「やめろ」と追求されるのがつらかったという人は多いようです。
また、ネット依存症の治療中のつらい気持ちを楽にしてくれたのも、周囲の人のひと言だそうです。
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言葉がけが大切
何気ないひと言が心にささり、ネットに逃げ込むきっかけになったという人はいます。
また、自分を救ってくれたひと言があったという人もいます。
こうした感想や願いは、感情的にならずに、相手に伝えたいものです。
直接伝えるのは少々照れくさいものですが、「よかった」と言ってもらえるとうれしいものです。
つらかったこと
「どうするつもり?」
親に言われた言葉。そう言われてもどうしようもない。治療を受けてゲームをやる時間は少しずつは減っているが、まだ先のことは考えられない。焦らせないように。
「就活しろ」
大学4年春、就活していないことが発覚して親に言われた言葉。でも、行きたい業界なんてないし、大学の就職課に相談に行って「今までなにをしていた」と怒られるのはいや。
「ものにならない」
親に言われました。大学の授業料という投資を私にしてもしょうがないってことですね。だったら努力してもムダ。ネトゲで遊んでいてもいいんじゃないと開き直りました。
「両親のケンカ」
自分がネット依存症になったことを、両親がお互いに責任をなすりつけ合っていた。それを聞くのはいたたまれなかった。だって、こうなったのは自分のせいなのだから。
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よかったこと
「顔つきが変わったね」
久しぶりに会った叔父さんに言われた。親戚中が僕のネット依存症を心配してくれていた。直そうとがんばっている努力を認められた、うれしかった。
「○○っておもしろいね」
ネットのことなんて全然わからないだろうと思っていた母親の言葉。絵私の病気を理解しようとしているらしい。やりたい気持ちを少しは認めてくれるかな。
「あと○単位だよ」
進級できなくなるリミットを親が淡々と伝えてくれた。そのころ、ゲームと学校との間でもやもやしていたけど、学校に行け行け言われなくて、気持ちは楽だった。
「○○でバイト探してたよ」
ネトゲを切るためにバイトでも探さなくてはと思っていたので、○○に行ってみた。親が根回ししていたとわかり、うざかったけど、結局行くことに。今は少し感謝している。
「家事を頼まれる」
親は、私がネット依存症とわかってから、家事をさせようとしてくれる。洗濯物を入れてとか、買い物に行ってとか。買い物に行かないとネットを切る時間がない。
なるほど、と思ったこと
「最近のゲームつまらないね」
最近のゲームは広がりがなく、昔よりつまらなくなった、と友達が言った。本当だと思い、四六時中没頭していたはずのゲームへの気持ちがさめた。
「単なる道具でしょ」
パソコンもスマホも人間がつくった道具に過ぎないと親が言っていた。確かにそうだと思った。ちょうどネトゲから卒業する時期だったのかもしれない。
「ゲーム会社、大もうけだね」
ゲームの企業を設けさせるために、おれたちは踊らされているんだと気づいた。ゲームに人生を捧げていたが、単にゲームじゃないかとむなしくなった。
◆この記事は、独立行政法人国立病院機構 久里浜医療センター院長、精神科医である樋口進先生執筆・監修「ネット依存症のことがよくわかる本(講談社)」の内容に基づいて、当サイト運営事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。
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