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LD(学習障害)やADHDの子どもの学校での関わり方は?
発達障害であるADHDやLD(学習障害)がある子どもには、担任の教師だけでなく数人のチームや組織で対応していきます。
多くの目を注ぐことで、子どものLD(学習障害)やADHDの特性を理解し、より適切な支援を行えるからです。
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担任以外の教師や保健室の活用も
LD(学習障害)やADHDなど発達障害の子どもたちを支援するには、担任の教師のほかにも、空き時間の先生が授業の応援にいく、子どもが教室から出て行ってしまったら、担任の変わりに探しにいくなど、人的資源を十分に活用することが大切です。
また、ADHDやLDの子どもが落ち着ける場所(保健室や相談室、支援室など)をつくるなど、施設としての資源の活用も考えていきましょう。
LD(学習障害)・ADHDの子どもの詳しい情報を集める
問題を起こしやすい状況や、LD(学習障害)やADHDの子どもが落ち着いて過ごせる状況などについても情報を集め、子どもと関わる人たち全体で共有します。
【いつ】
どんなときに問題が生じるか。問題が起こる前後の状況はどうだったか。どのような場合には問題なく過ごせるのか。
【どこで】
教室内、廊下など、どこで問題が生じやすいのか。混乱しやすい場所や、落ち着ける好きな場所はあるのか。
【だれと】
誰と一緒にいると混乱しやすくなるのか。ひとりでいるときか集団のときか。誰と一緒なら落ち着けるのか。
LD(学習障害)・ADHDの子の情報を共有する人たち
・担任
・校長
・教頭
・養護教諭
・専科の教師
・同学年の教師
・クラブ活動の担当教師、顧問
・スクールカウンセラー
・特別支援コーディネーター
・親、保護者
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学校の教室でできる支援はたくさんある
LD(学習障害)、ADHDなど発達障害の子どもたちの生活の中心は、まずは教室です。
ただし、担任の先生一人にまかせるのではなく、他の教師も含め、チームとして子どもを支えていくと支援がしやすくなります。
数人のチームでLD(学習障害)・ADHDを支援することで、問題が解決しやすくなります。
担任教師の負担を減らせると同時に、多くの人が関わることで子どものいろいろな面が見えてくるため、支援の糸口も見つけやすくなります。
窓際の席はさける、掲示物は少なくするなど、子どもが落ち着ける環境をつくることが大切です。
・子どもの特性を理解する
・教室の環境を整える
・指示や言葉がけ、教材を工夫する
・二次的な問題を起こさない、明るいクラスをつくる
ADHDとLD(学習障害)の両方の支援が必要なことも
ADHDとLD(学習障害)は、合併することが多くあります。
例えば、字を書くことが苦手な子ども場合を考えてみましょう。
ADHDがある場合には、集中して作業ができないために、細部まで丁寧に字を書くことができません。
一見すると、LD(学習障害)の書字障害と同じような状態に見えますが、この場合は集中困難などの背景があります。
一方、LD(学習障害)がある場合には、文字を思い出せない、目で見ながら手を動かすことが苦手、など様々な背景が考えられます。
同じ「書けない」という状態でも、その背景や原因はひとそれぞれです。
その子の特性に合った、多角的な支援が必要です。
◆この記事は、東京都杉並区立済美教育センター指導教授、早稲田大学大学院教育学部教職研究科非常勤講師、月森久江先生執筆・監修「ADHD LDがある子どもを育てる本(講談社)」の内容を元に、当サイト運営事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。
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