順番やルールが守れないADHD、教え方と対策について

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順番やルールが守れないADHD、教え方と対策について

ADHDの子の中に、順番やルールが守れない、という特徴があります。

順番やルールなど人間関係においての決まり事が守れないADHDの子には、ただ注意するだけではなく、なぜルールを守れないのか理解した上で、適切なサポートが必要になります。

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順番が待てない、ルールが守れないADHDの子

ADHDの子が順番を待てない、ルールを守れない理由は、人によってそれぞれ違います。

理由は違っても、結果としては、友達の和を乱すため、ADHDの子はまわりの子から避けられたり、仲間はずれにされることが多いようです。

ADHDの子がルールが守れない理由、原因は?

ADHDがある子は、順番やルールは理解していても、「やりたい」という気持ちがおさえられず衝動的に行動してしまい、決まり事を守れないことがあります。

また、LD(学習障害)の傾向があるADHDの子の場合は、説明を聞いただけではルールや決まりが十分に理解できないことがあります。

・注意力が散漫で、ルールや順番が分からなくなる
・衝動的に行動してしまう

分かりやすい伝え方、丁寧な教え方を繰り返す

ルールが守れない、順番が待てないために、友達と一緒にうまく遊べないADHDの子は多いです。

しかし、決まり事やルールの大切さを丁寧に説明し、遊びの最中にもルールを確認できるようになれば、他の子とも一緒に遊べるようになります。

ADHDの子に対しては、具体的な伝え方、ていねいな教え方が大切です。

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自分で確認できると安心する

ルールに対するADHDの子の理解をうながし、遊んでいる途中でルールが分からなくならないような対応も必要です。

対応例「ADHDの子がルールを理解できるように」

ルールや決まり事は、分かりやすいように紙に箇条書きにして、黒板や壁に掲示しておいたり、カードに書いて机の上に貼っておく方法もよい。

いつでも自分の目で見て確認できるようにしておくことで、ADHDの子がルールを守る大切さを覚えることができるようになる。

【突然、友達の邪魔をしてしまうADHDの子には】
状況を見ずに、思いつくとすぐ行動してしまうADHDの子に、ルールを意識させる効果が期待できる。

【遊んでいても自分勝手になりがちなADHDの子には】
自分勝手な解釈で、ルールを守らず、勝手にルールを変えようとしたり、もめたりすることを防ぐ。

【授業中のADHDの学習支援にも】
話し合いをするときのルールを決めておく。算数の筆算式の解き方などもひとつのルールと考えて、掲示しておくとよい。

対応例「ADHDの子がきちんと順番を待つために」

【一度、列から離れてもよいことにする】
じっと待つことが苦手で難しく感じるADHDの子は、自分の順番が近くなるまで、一度だけ列から離れてもいいことにする。呼ばれたらすぐ戻る、教室の外には出ない、など一定の決まりをつくる。

【順番がわかりやすいように工夫する】
今、誰の順なのか、次は誰に順番がまわってくるのか、具体的に示す。目で見ることができる道具を使えば分かりやすくなり、ADHDの子の混乱を防ぐことができる。

◆この記事は、東京都杉並区立済美教育センター指導教授、早稲田大学大学院教育学部教職研究科非常勤講師、月森久江先生執筆・監修「ADHD LDがある子どもを育てる本(講談社)」の内容を元に、当サイト運営事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。

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