境界性人格障害とオキシトシン(ホルモン)の関係について

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境界性人格障害とオキシトシン(ホルモン)の関係について

最近の境界性人格障害の研究で、ホルモン物質「オキシトシン」との関係が注目されてきています。

今回は、境界性人格障害(ボーダーライン症候群)の発症と、ホルモン物質オキシトシンとの関係についてお伝えします。

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境界性人格障害とオキシトシン(ホルモン)との関係

近年になって、研究者の間で、境界性人格障害とオキシトシン(ホルモン)の関係の注目度が高くなっています。

オキシトシンとは、ホルモン物質の一種で、母親の授乳や分娩に関係しているホルモンとして知られていました、

1990年代になりホルモンの研究が進み、オキシトシンの分泌が、愛着関係や社会性と深く関係していることが明らかになってきました。

人とのコミュニケーションが好きかどうか、親子関係や恋人との人間関係、不安を感じやすい傾向か、なども、オキシトシンが関係していると考えられています。

オキシトシンがポジティブやネガティブの原因に

子供の頃に、親からたっぷりの愛情を受けて育った子供は、オキシトシンの分泌が盛んになりやすいそうです。

その結果、対人関係において安心感や信頼感を抱きやすく、恋人や夫婦などの人間関係においても安定しやすい傾向があります。

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オキシトシンの分泌量が多いと、ポジティブな気持ちになりやすく、精神的にも安定しやすい人間になるのです。

しかし、逆に、子供の頃に愛情不足な養育環境で育った人は、オキシトシンの分泌が悪くなりやすいのです。

オキシトシンの分泌量が少ないと、不安を感じやすい、安定した人間関係を築くのが難しい、疑いやすい、被害妄想を持ちやすい、など、ネガティブ思考な傾向を持つようになるそうです。

境界性人格障害もオキシトシンが不足しがち

境界性人格障害の人も、オキシトシンの分泌が少なく不足しがちと専門家の間では考えられています。

境界性人格障害に人は、親から虐待を受けて育った子供と同じか、それと近い状態といわれています。

ホルモン物質であるオキシトシンが不足になると、こだわりが強くなったり、潔癖性になりやすい傾向がみられます。

境界性人格障害の極端な好き嫌いや、二分化思考も、オキシトシンの量が少ないことと関係があるのです。

【まとめ】

・境界性人格障害の発症とオキシトシン(ホルモン)には関係がある
・愛情受けて育った子供は、オキシトシンの分泌量が多い
・オキシトシンが多いと、安心感や信頼感を持ちやすくポジティブ
・愛情不足の子供は、オキシトシンの分泌量が少ない
・オキシトシンが少ないと、不安や不審感を抱きやすくネガティブ

◆この記事は、市橋クリニック院長、精神保健指定医の市橋秀夫先生執筆・監修「パーソナリティ障害のことがよくわかる本(講談社)」の内容に基づいて、当サイト運営事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。

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