被害妄想がひどい、統合失調症の病気かも?幻覚への対応

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被害妄想がひどい、統合失調症の病気かも?幻覚への対応

被害妄想がひどい、何かの精神病じゃないか、と感じ悩む人も多いようです。

妄想や幻覚がひどい場合、もしかしたら統合失調症の病気の可能性も考えられます。

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妄想と幻覚についてまとめてみましたので、参考にしてみてください。

妄想の種類[統合失調症の症状]

間違っている考えや思い込みで、それを自分では変えることができないものを妄想といいます。

統合失調症によくみられるのは「被害妄想」や「関係妄想」です。

また、妄想を確信していない「〜かもしれない」という思い込みも多く、関係念慮や被害念慮と呼ぶこともあります。

妄想の種類と対応や関わり方についてまとめてみました。

被害妄想とは

被害妄想とは、自分が他人からの攻撃対象になっている、と思い込むことです。

誰かから監視されている、盗聴されている、という妄想がひどくなり、ひきこもり状態になる人もいます。

被害妄想がひどくなると、本人は精神的にストレスがたまりおいつめられた状態になる傾向があります。

症状によっては、生命の危険を感じるような被害妄想もあり、まわりの人に対して攻撃的になることもあります。

関係妄想とは

関係妄想とは、自分のまわりで起きる出来事や物、人などを、全部自分に関係していると考えることです。

例えば、道ですれ違った人の仕草が自分への合図だと感じたり、テレビの出演者が自分に命令してくるように感じる、というケースもあります。

誇大妄想とは

誇大妄想とは、私は芸能人の恋人、などと思い込むような妄想です。

ほかにも、「宇宙人にテレパシーで操られている」「寝ている間に脳に機械やチップが埋め込まれた」などの奇異な妄想もみられます。

奇異な妄想は統合失調症の特徴的な症状といわれています。

妄想への対応と関わり方

統合失調症の人の被害妄想や誇大妄想がひどいとき、どのように対応すればいいのでしょうか。

関わり方や接し方でのポイントは、妄想を否定しないことです。

「そんなことはない」「考えすぎ」「勘違い」「間違っている」などと、統合失調症の人の妄想を否定して、無理に説得しようとしても相手は心を閉ざしてしまいます。

妄想状態の人への対応方法として、まず大切なことはその苦しさを理解しようとする共感や受容の姿勢です。

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被害妄想や誇大妄想がひどい統合失調症の人に対しては、「つらいだろうから、神経を休ませる薬を飲もうか」などと薬物療法をすすめ、薬の効果で妄想の症状が落ち着くのを待つ、という対処法がいいといわれています。

幻覚の種類[統合失調症の症状]

幻覚は「対象のない知覚」と定義され、実際にはないのにあると感じてしまう状態です。

幻覚や幻聴などの症状は、統合失調症の人に多い症状といわれています。

幻覚の種類と対応方法についてまとめてみました。

幻視(錯覚)

幻視とは、実際にないはずのものが見える状態です。

例えば、「窓の外に人が立っている」などの症状があります。

誤って知覚する錯覚も、統合失調症にはよくみられる症状です。

幻聴

幻聴とは、聞こえないはずの音や声が聞こえる状態です。

多くの場合、幻聴では正体不明の声とよばれる人の声が聞こえるそうです。

例えば「おまえはバカだ」「死ね」など、ののしったり、とがめたり、責めたり、命令したり、という内容の声が多いようです。

幻味

幻味とは、食べ物に変な味がする、味がおかしいと感じる症状です。

幻臭

幻臭とは、変なニオイがする、という状態です。

体感幻覚

体感幻覚とは、身体に何か埋まっているような気がする、という症状です。

例えば、「脳の中に機械が埋め込まれた」などと感じることがあります。

幻覚や幻聴への対応と関わり方

幻覚や幻聴、体感幻覚などへの対応方法や関わり方はどうすればいいのでしょうか。

幻覚が見える、幻聴が聞こえる、という統合失調症の人に対して、「そんな物は見えない」「そんな音や声は聞こえない」「考えすぎ」「勘違い」と否定することはよくありません。

幻聴の内容は、本人にとってつらかったりイヤな内容が多いため、何が聞こえるのか、と無理に聞き出す必要はありません。

幻聴が聞こえているとき、脳の覚醒野の血流が増えることがfMRIの検査で明らかになっています。

実は、統合失調症の人は、実際の声と同じように幻聴が聞こえているのです。

否定せず、本人には幻聴がはっきり聞こえているということを理解し、受け止めてあげる姿勢が重要です。

幻覚や妄想は抗精神病薬を飲めば、薬の効果で徐々に消えていくことが多いようです。

症状が改善して本人も落ち着くようになると、「あれは病気のせいだった」と客観的に振り返れるようになります。

【まとめ】

幻覚や妄想がひどいと、まわりの人にとっては「気が狂ったのでは」「頭がおかしいのか」と違和感を感じるものです。

ですが、本人にとってみれば「現実=リアル」そのもののように感じているようです。

スムーズな薬物療法をすすめていくためにも、本人のつらさや苦しさを理解し、共感し受容する姿勢が大切ですね。

◆この記事は、国立精神・神経医療研究センター神経研究所疾病研究第三部部長である功刀浩先生執筆・監修の「図解やさしくわかる統合失調症(ナツメ社)」の内容を元に、当サイト事務局の心理カウンセラーが記事編集を行っています。

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