統合失調症の回復期の特徴や対応について、病気の再発にも注意!
統合失調症の病気の経過は大きく5つの時期に分けられます。
・病気の前兆症状があらわれる「前駆期」
・幻覚や幻聴、妄想症状がひどい「急性期」
・無気力でぼーっとしている「消耗期」
・少しずつ回復へ向かう「回復期」
・仕事や学校など日常生活ができるようになる「寛解期」
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今回は、病気が徐々に回復へと向かう統合失調症の「回復期」について書いてみたいと思います。
病気が少しずつ回復へ向かう統合失調症の回復期
統合失調症の代表的ともいえる幻覚や幻聴、ひどい妄想、激しい興奮状態などがあらわれる急性期が過ぎると、無気力状態になり、何もやる気がしない、ぼーっとしている、寝ている等の行動が目立つ消耗期が訪れます。
統合失調症の消耗期は、病気の回復のための活力を蓄えるような時期でもあり、十分に休養することが大切なときです。
消耗期/休息期に入って統合失調症の患者本人がゆっくりと休むことができると、肉体的にも精神的にもエネルギーがたくわえられます。
そして、病気が少しずつ回復へと向かう「回復期」に入っていきます。
何もやる気が出ない無気力状態から少しずつ抜け出して、自立に向かって動き出すのが統合失調症の回復です。
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統合失調症の回復期の特徴や症状
統合失調症の回復期に入ってくると、患者本人は少しずつ活動できるようになります。
例えば、本を読んだり雑誌を読んだり、自分でテレビを観たり、友達に連絡をしたり、ほどほどに休みながらも徐々に活動的になっていききます。
ゆっくりとしたペースですが、掃除などの家事やちょっとした作業などにも取り組めるようになってくる時期です。
回復期になってくると、自分の好きなことや趣味を楽しんだりすることも可能になります。
回復期の対応ポイント
統合失調症の回復期に入ると、ゆっくりと休む、休息することから、外出したり、体力を取り戻すことを大切にするようにしましょう。
昼間は寝ているのではなく、きちんと起きて着替えをして、規則正しい生活リズムを心がけることも回復期には重要なことです。
また、デイケアや作業所などでリハビリを始めるという活動も望ましいです。
ただし、少しずつ回復してきたからといってあせりは禁物です。
親や家族などまわりの人は病気の回復をあせらすのではなく、ゆっくりと本人のペースを尊重するように対応しましょう。
また、「もう病気は治ってきているので薬は飲まなくてもいい」などと服用を中断すると、急性期の激しい症状が再発してしまうことにつながるので注意が必要です。
◆この記事は、国立精神・神経医療研究センター神経研究所疾病研究第三部部長である功刀浩先生執筆・監修の「図解やさしくわかる統合失調症(ナツメ社)」の内容を元に、当サイト事務局の心理カウンセラーが記事編集を行っています。
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