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統合失調症の回復率、割合は?予後の影響について
統合失調症の病気を発症すると、患者本人や家族などまわりの人にとって、まず最初に気になるのは、病気の回復率や割合です。
そこで今回は、統合失調症の回復率や回復割合、予後、寿命が短いといわれる要因について書いてみたいと思います。
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統合失調症の回復率や割合について
統合失調症の回復率や回復割合はどの程度なのでしょうか。
統合失調症の調査報告によると、はじめて統合失調症を発症して入院治療をした患者さんの1年後において、74%は完全に寛解(治った)して安定した状態に回復した状態になった、といわれています。
ですが、10年以上の長期間での経過をみてみると、統合失調症が完全に回復する人の割合は低くなる傾向があります。
統合失調症の予後の調査データについて
かつては、統合失調症の予後は大きく次の3つに分かれると言われていました。
①病気になる前の状態にほぼ回復し、自立した生活が可能
②症状が残るが、入院期間が長くなることもなく、ある程度自立した生活が可能
③重症化して長期間の入院生活になる
ですが、今では統合失調症という病気についての研究が進み、次のような調査報告が分かってきており、欧米での統合失調症の予後についての調査データでは、10年後の経過は次のような割合になる、という研究報告があります。
統合失調症の10年後の予後
①完全に回復・・・25%
②かなり改善、自立して社会生活ができる・・・25%
③ある程度改善、生活には支援が必要・・・25%
④改善があまりみられない、療養施設での生活・・・15%
⑤死亡・・・10%
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統合失調症は年齢とともに回復する病気
また、統合失調症の予後30年後においては、10年後と比較して良好であることも分かってきています。
日常生活において支援が必要な人や改善が見られない人の割合が減少し、自立した社会生活を過ごせる人が多くなります。
全員が完全に治るとは言えませんが、統合失調症は年齢とともに回復する病気と言えるでしょう。
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統合失調症の予後の影響について
統合失調症の予後に与える影響の因子として、次のような要因や影響が考えれられます。
①発症年齢が若かった
②発達障害があった
③血縁者に統合失調症の人がいる
④ゆるやかに病気が発症した
⑤急性期にも陰性症状が目立った
⑥感情の平板化
⑦本人に病識(病気の自覚)がない
⑧抗精神病薬の効果があまりなかった
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発達障害だと統合失調症を発症しやすい?
もともと発達障害がある人は、生活環境でのストレスから統合失調症を発症しやすいとも言われていますし、親族に統合失調症の人がいる場合には予後があまりよくないとされています。
また、病気の発症が激しく急に症状があらわれた場合の方が、予後はよいとされています。
ただし、これらの要因が必ず統合失調症の予後に関係するわけではなく、どの程度病気が回復するか、正確にはまだ分かっていません。
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統合失調症は寿命が短い病気なのか?
統合失調症の人には自殺者が多いのは有名ですが、それ以外にもいくつかの要因があり、寿病が短い病気ともいわれています。
①事故
幻覚や幻想、妄想、注意力低下といった統合失調症の症状が原因と思われる交通事故などが多い
②病気
感染症、心疾患、糖尿病、乳ガンなどが、一般よりも多いといわれている
③生活習慣病
ヘビースモーカーや、偏食の人が統合失調症の人には多いといわれている
④病気の治療が不十分
患者本人が自分の症状をうまく説明できない、自覚が不十分といったことが理由で病気の治療が遅れてしまう
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◆この記事は、国立精神・神経医療研究センター神経研究所疾病研究第三部部長である功刀浩先生執筆・監修の「図解やさしくわかる統合失調症(ナツメ社)」の内容を元に、当サイト事務局の心理カウンセラーが記事編集を行っています。
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