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統合失調症と似ている病気、うつ病や双極性障害との違いは?
統合失調症とよく似ている病気(精神疾患/精神病)に、うつ病や双極性障害があげられます。
統合失調症とうつ病・双極性障害は、どんな症状が似ていて、またどこが違うのでしょうか。
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そこで今回は、統合失調症と関連のある精神疾患について書いてみたいと思います。
統合失調症と似ている病気(精神疾患/精神病)
統合失調症と症状が似ている病気(精神疾患)には、次のようなものが考えられます。
・うつ病
・双極性障害
・統合失調感情障害
・短期精神病性障害
・知的障害
それぞれどのような症状が似ていて、また違いは何か、という点についてまとめてみたいと思います。
うつ病と統合失調症の似ている点、違いは?
うつ病と統合失調症では、次のような症状が似ている点、違いとして判別することができます。
【似ている点】
・抑うつ、活動性低下、不眠、睡眠障害などの症状が見られる。
・妄想をもつことがある
【違い】
・うつ病では統合失調症と違い、解体した言動は見られない。
・幻聴や奇異な妄想など統合失調症の特徴的な症状は、うつ病では見られない。
双極性障害と統合失調症の似ている点、違いは?
双極性障害が統合失調症に似ている点、違う点は次のようになっています。
【似ている点】
・激しい興奮状態、攻撃的になることがある。
・誇大妄想を持つことがある。
【違い】
・病相(病気の症状があらわれる時期)が終わると、双極性障害はほぼ正常な機能レベルに戻る例が多い。
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統合失調感情障害と統合失調症の似ている点と違いは?
統合失調症の症状とうつ病/双極性障害の症状の両方がみられる場合の病名「統合失調感障害」が統合失調症と似ている点、違いは次のとおりです。
【似ている点】
・抑うつ、妄想、幻覚、解体症状をあわせもつことがある。
【違い】
・病相と寛解期が交代することがある。
・幻覚、妄想より気分障害が目立つ時期がある。
短期精神病性障害と統合失調症の似ている点と違い
短期精神病性障害が統合失調症と似ている点、違いは次のようになっています。
【似ている点】
・幻覚、妄想、解体症状があらわれる。
【違い】
・短期精神病性障害では、急激に症状がはじまり、短期間で消失する。
知的障害と統合失調症の似ている点と違いについて
統合失調症を発症すると、一時的に知的能力に障害がみられることが多いため、知的障害ではないか、と疑われることもあります。
ですが、統合失調症の場合、知的能力がIQ80以上に達するのに対し、知的障害の場合は生まれてから一度も正常の知能にまで達しない点が異なります。
また、統合失調症の発症による知能低下は、知識はあるけど記憶力が低下したり、知覚と動作がうまく連携しなかったり、という特徴がみられます。
統合失調症と知的障害の合併例もあり、知的障害があると統合失調症を発症しやすいといわれています。
IQの低下が統合失調症の病気によるものか、もともとの知的障害によるものかの判別は、病気になる前の仕事や成績からある程度推測することが可能です。
知的障害とが統合失調症と似ている点、違いはつぎのようになっています。
【似ている点】
・知的能力の障害(すべての統合失調症であらわれるわけではない)
【違い】
・知的障害の場合、病気の発症前から知的能力の障害があり、今までに正常な知能に達したことがない。
◆この記事は、国立精神・神経医療研究センター神経研究所疾病研究第三部部長である功刀浩先生執筆・監修の「図解やさしくわかる統合失調症(ナツメ社)」の内容を元に、当サイト事務局の心理カウンセラーが記事編集を行っています。
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