【統合失調症】部屋にこもる、寝てばかり、家族の接し方は?消耗期・回復期・寛解期

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【統合失調症】部屋にこもる、寝てばかり、家族の接し方は?消耗期・回復期・寛解期

統合失調症の症状には、幻覚や幻聴、妄想などの激しい陽性症状とは逆に、部屋にこもりっぱなし、一日中寝てばかりいる、何にも興味がない、などの陰性症状があります。

陰性症状は、統合失調症の前駆期から回復期、寛解期まで長期間にわたってみられ、消耗期では特に強くなる傾向がみられます。

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部屋にこもって寝てばかり、家族の接し方は?|統合失調症の陰性症状

統合失調症の激しい症状である陽性症状、幻覚や幻聴、妄想などの症状があらわれる急性期の後の消耗期では、部屋にこもる、寝てばかりいる、何にも興味がなくなる、などの陰性症状が強くなります。

このような統合失調症の症状に対して、家族はどのような対応や接し方をすればいいのでしょうか。

誰でも緊張状態が長期間続くと、その後はぐったりと疲れてしまうもので、統合失調症の消耗期も同じことが言えます。

消耗期では、幻聴や幻覚、妄想などの激しい症状やストレスで疲れ果て、心身ともにエネルギーをたくわえる時期になるので、十分に休むことが大切です。

家族や周りの人が「早く元気になって」「頑張って」と励ますことが、統合失調症の患者本人には逆にプレッシャーとなりストレスに感じてしまい、急性期の症状が再発してしまうおそれもあります。

統合失調症の消耗期では「部屋にこもって寝てばかり」と家族がとらえるのではなく、「エネルギーを蓄えるために休んでいる」ととらえてそっと見守る姿勢が大切です。

回復期・寛解期の対応のポイント|統合失調症

統合失調症の回復期、寛解期に入ると、患者本人にも徐々に元気が出てきます。

友達に会いたい、学校に行きたい、仕事をしたい、など少しずつポジティブな姿勢もみられるようになってきます。

部屋にこもる、寝てばかり、という毎日の生活に退屈さを感じ始め、散歩や買い物に行ったりするようにもなります。

こうした統合失調症の回復期、寛解期では、家族は患者本人の前向きな姿勢をサポートする接し方が大切なポイントです。

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統合失調症患者本人の生活リズムを整え、趣味を楽しめるように援助していきましょう。

また、学校や仕事への復帰に向けて、何がしたいか、どんなことができそうか、本人と話し合うようにしていくとよいでしょう。

社会復帰はあせらないことが大切

統合失調症の病状が回復に向かい、社会復帰を考えるときのポイントはあせらないことです。

できそうなことから始めて、レベルの高いことを求めすぎないようにすることが大切です。

目標が高すぎると失敗してしまうことも多くなり、その失敗によって自信喪失して病気が悪化するおそれもあります。

統合失調症の患者本人がレベルの高い目標を求めても、家族は本人があせらないように「しばらく休んでいたから少しずつ体を慣らしていこう」と伝えるようにしましょう。

仕事が続かない?統合失調症の患者への対応は?

症状が良くなってアルバイトや仕事を始めたけど、3日でやめてしまう、というように、なかなか仕事が続かないケースも少なくありません。

そうした場合、家族は「なぜすぐにやめるの?」「どうして続けられないの?」と統合失調症の本人を責めるのではなく、少しでも行けたことをポジティブに褒めることが大切です。

「次はもう少し続くといいね」とあたたかい言葉をかけて、やさしく本人を見守ってあげましょう。

統合失調症という病気を受け入れ、うまく付き合っていくこと

統合失調症は、症状が改善しても完治することは少なく、何かしら生活しづらさの障害が残ります。

例えば、記憶力低下や集中力の低下、注意力の低下からのミスや、人間関係でのコミュニケーションなど、人によって様々です。

本人がそうした障害を受け入れてうまく付き合っていくことができるようになるためには、家族が援助していくことも大切です。

統合失調症の社会復帰に関しては、病院や保険福祉施設でいろいろなプログラムが実施されているので、それらの制度を活用することもひとつの方法です。

また、患者の会に参加して同じ病気を持っている仲間と交流したりすることも励みになることでしょう。

◆この記事は、国立精神・神経医療研究センター神経研究所疾病研究第三部部長である功刀浩先生執筆・監修の「図解やさしくわかる統合失調症(ナツメ社)」の内容を元に、当サイト事務局の心理カウンセラーが記事編集を行っています。

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