【発達障害のパニック症状】どんな原因や理由があるの?
発達障害の子どものなかには、パニック症状をおこしやすい傾向があります。
まわりの人の対応としては、発達障害の子どもがパニック状態に陥った原因を理解し、不安や不快感を取り除くことが大切になります。
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発達障害のパニック症状の例
自閉症スペクトラムなどの発達障害の子どもの場合、ある特定の状況下でパニック状態になってしまう傾向があります。パニック症状のあらわれかたには個人差がありますが、具体例には次のような行為があります。
・大声を出す
・泣きわめく
・その場から走って逃げる
・立ちすくんで動けない
・自分の頭や顔を叩く
・壁や床に頭をぶつける
・腕を噛むなどの自傷行為
また、小学校高学年から思春期の年齢では、パニック症状の現れ方は少し異なり、相手を感情的に非難する、激しく抵抗したり、抗議するなどの行為もみられることがあります。
パニックには理由がある
パニック状態になってしまった発達障害の子どもは、冷静さを失い、周りの人の言葉やアドバイスを聞く余裕がなくなってしまいます。そのため、周囲の人はどう対応していいのかわからなくなって、うろたえてしまうことも少なくありません。
とはいえ、発達障害の子どもがパニックを起こすのには何らかの原因が存在するはずです。パニックの理由は、発達障害ではない人には理解しにくい内容であることも少なくありません。しかし、発達障害の本人が不安になったり困っている、ということを、周りの人は察してあげたいものです。
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発達障害のパニック症状は、本人が意図して起こしているものではなく、その特性のために耐えられない状況に陥り、自分自身をコントロールできなくなって引き起こされるものです。まわりの人の関心や注目を得ようと思って故意にパニックを起こすわけではありません。
また、周囲の人からみれば、パニックを起こしている発達障害の子ども本人は、まわりに当り散らしてスッキリしているのだろう、と思われがちですが、自分自身をうまくコントロールできない本人が一番つらい思いをしている、ということを理解してあげましょう。
発達障害のパニックの原因について
パニックを起こす原因は、それぞれの発達障害の子どもによいって違いがあり、特性によっても変わってきます。同じ発達障害だからといって、同じ状況でパニックを起こすわけではありません。
発達障害の子どもがパニックを起こしやすい原因orきっかけには次のようなものが考えられます。
・大きな音が聞こえた
・感覚過敏があって、人から触られた
・予定やスケジュールの変更があった
・続けたい行動を中断させられた
・座りたい場所を他人にとられた
・うれしすぎるor楽しすぎるなど興奮してしまった
・体調不良
発達障害の感覚過敏や強いこだわりは、発達障害ではない人にはなかなか理解しにくい内容であることが多く、「なぜそんなことで?」「少しがまんできないの?」と否定的に思われてしまいやすいものです。
周囲の人は、発達障害の子ども本人は耐え切れない苦しみを感じてる、ということを理解してあげたいものです。
◆この記事は、お茶の水女子大学大学院教授である榊原洋一先生執筆・監修「図解よくわかる発達障害の子どもたち(ナツメ社)」の内容に基づいて、当サイト運営事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。
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