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ネット依存症の心理社会的治療とは?対人のコミュニケーションスキルを学ぶ
ネットのやりすぎで対人関係に問題があったり、コミュニケーションがうまくとれなくなっている人がいます。
ネット依存症患者が病気を改善し、自信をもって社会に出て行けるように、対人コミュニケーションスキルを勉強するのも治療のひとつです。
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ネット依存症の心理社会的治療とは?
社会はリアルな人間関係でなりたっています。
ネット依存症の人は、バーチャルの世界に生きているため、社会に出ていく勇気やスキルが身についていない人がいます。
ネット依存症患者の中には、もともと人と付き合うのが苦手でネットを使い始めた人もいます。
治療の目的はネットの使用時間を減らすことですが、それも最終的には社会で生きていくためです。
ネット依存症では、社会で通用するための治療、心理社会的治療が重要なのです。
自己肯定感を上げる
ネット依存症の人が社会に出て行けない理由のひとつに、自己否定感が強くなっていることがあります。
自己評価を上げるためには、ネットの時間を減らしていくしかありません。
ネットの代わりにテレビやDVDなどのメディアを見ることもできれば避けた方がいいでしょう。
リアルな人間関係ができることが大切です。
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それが新しい自分のアイデンティティづくりにつながります。
自己否定につながる悪循環
自己評価が下がる
↓
ネットに逃げ込む
↓
長時間プレイ
↓
またやってしまった
↓
自己評価が下がる
↓
悪循環を繰り返す
自己肯定感をあげる明るい循環
ネット以外のことをする
↓
ネットを減らせた
↓
やればできる
↓
自己評価が上がる
SST
SSTとは、ソーシャル・スキル・トレーニングの略です。
ネット依存症患者は、対人関係がバーチャルなネット上ばかりになり、実際にリアルな人と会うこと、話をすることがスムーズにできなかったり、その場にあった対応ができなくなっていたりします。
SSTでは、状況や相手に合わせた対応の練習、コミュニケーションスキルの習得をします。
【状況に合わせて】
的外れなコミュニケーションは対人関係の障害になる。その状況で何をどう言えばいいかを練習する。
【受け取られ方】
言いたいことをどう伝えるのか、自分の言動が相手にどう受け取られるかを学ぶ。相手に感じたことを言ってもらう。
【感情を読み取る】
自覚しないまま相手を怒らせたりすることも。相手がどう感じているか、感情や仕草から推察する練習をおこなう。
【あいさつ】
状況や相手に合ったあいさつを、声に出して言うことが、コミュニケーションの基本。そこができていない人が意外に多い。
◆この記事は、独立行政法人国立病院機構 久里浜医療センター院長、精神科医である樋口進先生執筆・監修「ネット依存症のことがよくわかる本(講談社)」の内容に基づいて、当サイト運営事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。
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