目次
演技性パーソナリティ障害と反社会性パーソナリティ障害の特徴とは?
・演技性パーソナリティ障害
・反社会性パーソナリティ障害
この2つのタイプのパーソナリティ障害は、自分に対するイメージや気持ちが不安定です。
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演技性パーソナリティ障害、反社会性パーソナリティ障害のほか、境界性パーソナリティ障害、自己愛性パーソナリティ障害も同じグループ群に含まれます。
注目を集めるために自分を演じる、演技性パーソナリティ障害
演技性パーソナリティ障害のタイプの人は、自分が主人公でいたいと願い、人の気を引くためにさまざまな仮面をかぶり、演技します。
相手の望むように自分を変えるため、だまされたり、つけこまれたりするトラブルも多いようです。
特徴①注目を浴びていたい
演技性パーソナリティ障害とは、簡単に言うと「目立ちたがり屋」ですが、単に自分を主張するのではなく、嘘をついたり、あるいは身体症状に訴えるなど、周囲の人に強くアピールし、相手の気を引こうと「演技」します。
特徴②自分の感覚が希薄
相手にあわせたり、流行に乗ろうとする気持ちが強く、自分自身がどのような人間か、あまりはっきりとイメージできていません。演技性パーソナリティ障害の患者は、暗示にかかりやすい傾向も見られます。
自分も周りも巻き込まれやすい演技性パーソナリティ障害
演技性パーソナリティ障害の人は、相手にあわせて自分を変えてしまいます。
そのため、友人や家族を巻き込みやすい一方で、自分自身が合わせている相手に引きずられることもあります。
[対応方法]演技性パーソナリティ障害
・仮面を剥がそうとしない
・騒ぎすぎず、冷静に接する
演技性パーソナリティ障害の人の仮面を無理にはがそうとするのは対応としてよくありません。
身体症状を訴えるなどの問題が起こったときに「どうすればいいと思うか」と問題を返し、自分で対処できるように導くとよいでしょう。
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社会規範や法律を無視する、反社会性パーソナリティ障害
反社会性パーソナリティ障害は、ほかのパーソナリティ障害と違い、18歳以上の人に当てはめます。
18歳以前で反社会性パーソナリティ障害のような傾向がある場合は「行為障害」といい、子どもの発達障害の一種に分類されています。
特徴①子どものときから問題を起こしている
反社会性パーソナリティ障害の人は、子どものときにも、無断欠勤や家出を繰り返したり、ケンカ早いなど、ルールを守らない傾向があります。
特徴的な行動パターン
・うそをつく
・誇大的
・自己中心的
・人を信じない
・他人への愛情に乏しい
・責任感が希薄
こうした傾向は、思春期より以前から見られることが多いようです。
反社会性パーソナリティ障害の原因
不安定な家庭環境で育った
反社会性パーソナリティ障害がある人には、何らかの事情で、力ある大人との接触がもてなかった(育児放棄・虐待)環境で育った背景が多く見られます。
発達障害が適切に対処されなかった
過去にADHD(注意欠陥多動性障害)などの発達障害があった人が多いことが、最近分かってきました。
こうした発達障害が適切に対処されず、「いつも叱られている」「大切に扱われない」などと感じてきたことが関係していると考えられます。
周囲が発達障害などに気づかず怒ってばかりだと「子どもの自尊心、だいじょうぶ感」が育ちません。
反社会性パーソナリティ障害は受診が少ない
反社会性パーソナリティ障害の人は、自分自身ではあまり問題を感じていません。
そのため、みずから診察に訪れることがなく、通常の治療の対象になることはほとんどありません。
家族など周囲の人が相談に来ることもありますが、ほとんどの場合は、何らかの問題があって、更正プログラムを受けて社会復帰します。
発達障害への適切な対応で反社会性パーソナリティ障害の予防に
最近、反社会性パーソナリティ障害の人に発達障害の経験がある人が多いことがわかっています。
幼児期の養育環境、適切な治療が反社会性パーソナリティ障害と深く関わっています。
◆この記事は、市橋クリニック院長、精神保健指定医の市橋秀夫先生執筆・監修「パーソナリティ障害のことがよくわかる本(講談社)」の内容に基づいて、当サイト運営事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。
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