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統合失調症ができないことは何?仕事、勉強、料理、育児、読書も

統合失調症の症状に認知機能障害という症状があり、問題を解決したりする「実行機能」に障害がおこる場合があります。

実行機能の障害が原因となって、統合失調症を発症すると「できないこと」が増えてしまうのです。

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よく「統合失調症になると仕事ができない」「読書ができない」「料理ができなくなる」などと言われているのはこのためです。

ということで、今回は「統合失調症ができないことは何か?」について書きまとめて見たいと思います。

できないことが増える統合失調症の実行機能障害

統合失調症になると「できないこと」が増えることが多いようです。

その原因は、統合失調症の病気の影響で「実行機能」が損なわれるからです。

「実行機能」とは、何かをやりとげるために計画を立てたり、一番いいやり方を選んだり、問題に対応して解決する能力の意味です。

知能や記憶力が、計算する、覚えるなど単純な能力に対して、実行機能は、手順を具体的にイメージしたり、先を見通したり、脳の機能を状況に合わせて柔軟に組み合わせる能力で、ワーキングメモリーの活用も必要になります。

統合失調症を発症すると、この実行機能がうまく働かなくなる症状が起こり、仕事を何からすればいいのか分からない、といった状態に陥ってしまうのです。

どのような手順で、どんな方法で取り組めばいいのか、といくら考えても思いつかない、という状態に統合失調症の人はなりやすいのです。

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統合失調症になると「できないこと」の例

統合失調症の実行機能障害の症状でできなくなることには、具体的に次のようなことがあげられます。

・仕事
・読書
・料理
・育児
・洗濯
・掃除

どれも、普通の人には簡単にできることであっても、統合失調症の人にしてみると、手順や方法が複雑に感じられて、できなくなってしまうことが多いようです。

ですが、統合失調症のすべての人ができなくなってしまうわけではなく、個人差があります。

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脳の前頭葉の異常が原因か

例えば、料理は、順序立てて効率よくやるために、比較的高い実行機能が必要となる作業です。

統合失調症の人が料理しようとしたとき、お湯を沸かして間に材料を切ることや、冷蔵庫にあるもので何をつくれるか考えることなどもできなくなります。

同じような実行機能障害が、交通事故で脳の前頭葉を損傷した人にも見られることがあり、統合失調症の場合も脳の前頭葉の異常が原因ではないか、と考えられていいます。

脳の画像検査の結果をみても、統合失調症の人は、健康な人に比べて前頭葉の血流量が少なく、活性化も低い傾向がわかっています。

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統合失調症に何か頼むときの注意点

このようなことから、統合失調症の人に何か頼み事をするときには注意が必要です。

物事に柔軟に対応することが難しくなっていることを理解し、内容を分かりやすく伝える、手順をひとつずつ頼む、いつも同じような作業を頼む、など配慮するようにしましょう。

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まとめ

統合失調症の実行機能障害のせいで、「統合失調症って知的障害になるの?」と感じる人もいるようです。

とはいえ、病気が改善に向かうと、実行機能障害も改善していくことがあるそうなので、定期的に病院に通院し、適切な薬物療法を受けることが何より大切だと考えられますね。

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◆この記事は、国立精神・神経医療研究センター神経研究所疾病研究第三部部長である功刀浩先生執筆・監修の「図解やさしくわかる統合失調症(ナツメ社)」の内容を元に、当サイト事務局の心理カウンセラーが記事編集を行っています。

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