統合失調症の陰性症状とは?やる気や意欲低下、感情鈍麻(感情障害)も

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統合失調症の陰性症状とは?やる気や意欲低下、感情鈍麻(感情障害)も

統合失調症の代表的な症状に、やる気や意欲低下、感情の起伏がなくなる感情鈍麻(感情障害)があらわれる例も多くみられます。

これらの「やる気がなくなる」「意欲低下」「感情の起伏が乏しくなる」「感情鈍麻(感情障害)」などの症状は、統合失調症の陰性症状と呼ばれています。

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今回は、この統合失調症の陰性症状の特徴についてまとめてみました。

やる気や意欲低下も[統合失調症の陰性症状]

統合失調症の代表的な症状といえば、幻覚や幻聴、妄想、興奮する、叫ぶなどの行為が目立ちやすいといえます。

このような幻覚・幻聴・妄想・興奮状態・暴れる・叫ぶなどの症状を統合失調症の陽性症状といいます。

この陽性症状に対して、統合失調症には陰性症状というものもあり、やる気がなくなる・意欲低下・感情障害・感情鈍麻などの症状も多くみられます。

学校や仕事に行きたくない

統合失調症の場合、学校や仕事に対してやる気がなくなったり、意欲低下するのが特徴的な症状のひとつにあげられます。

学校に行きたくない(行けない)、仕事に行きたくない(行けない)と状態になります。

友人知人との関係も希薄になり、家族とも言葉を交わすことなく自分の部屋にひきこもりがちになり、こういった状態を「自閉」といいます。

会話も少なくなり、家族からすれば「しゃべらない」という印象を受けることが多いようです。

意欲低下といっても、何もしなくなるわけではなく、音楽を聞いたり、ゲームをしたり、パソコンをさわったり、本や雑誌を読んだり、などの行為はやっている人が多く、完全に無気力状態になるわけではないようです。

感情の起伏がなくなる感情障害(感情鈍麻)も

統合失調症を発症すると、感情面でも症状が現れるようになります。

統合失調症になる前や急性期には、表情がかたく、顔をしかめていたり、怒っているようにみえることもあります。

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統合失調症が回復に向かうと徐々に穏やかな感情になっていきますが、全体的には感情が乏しい状態になります。

このような感情の起伏がなくなるのも統合失調症の陰性症状のひとつで、医学用語で「感情鈍麻」「感情の平板化」といいます。

感情がみられなくなることから「感情障害」といわれることもあります。

統合失調症の陰性症状は薬の副作用が原因ではない

やる気や意欲の低下、感情の平板化(感情鈍麻)などの陰性症状は、統合失調症の再発を繰り返すうちに強くあらわれるようになる人もいますが、そうではない人もいるので、個人差があるようです。

また、統合失調症のごく一部の人ですが、「荒廃状態」といって、一日中ベッドに寝たまま意味不明な行動をする例もみられます。

統合失調症の治療薬である抗精神病薬は、幻覚や幻聴、妄想などの陽性症状には効果があるのですが、やる気や意欲の低下、感情障害などの陰性症状に対しては効き目がありません。

逆に、薬を飲むことで陰性症状の原因になっているのではないか、という意見もあるくらいです。

ただ、陰性症状の大半は薬が開発される前から確認されている統合失調症の病気が原因となる症状であって、薬の副作用が原因ではないと一般的には考えられています。

薬の副作用でやる気がなくなる、意欲の低下などの副作用の症状がでるのでは、と心配して薬の服用を中止してしまうと、陽性症状が再発して治療が振り出しに戻ってしまいます。

統合失調症の再発は、症状を悪化させる可能性があるので、薬の服用は担当医師の指示を守るようにしてください。

統合失調症の陰性症状まとめ

・自閉(ひきこもり)
・意欲低下(やる気がなくなる)
・感情の平板化(感情鈍麻/感情障害)

まとめ

統合失調症の症状では幻覚や妄想など陽性症状が目立ちやすいのですが、それとは逆のに意欲低下、感情鈍麻などの陰性症状もみられます。

統合失調症の治療で大切なことは、病院で診察を受けて適切な治療を続けることです。

薬の使用を自己判断で勝手に中止するのでなく、医師の指示を守ることが大切です。

◆この記事は、国立精神・神経医療研究センター神経研究所疾病研究第三部部長である功刀浩先生執筆・監修の「図解やさしくわかる統合失調症(ナツメ社)」の内容を元に、当サイト事務局の心理カウンセラーが記事編集を行っています。

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