妄想、幻覚、幻聴がひどい統合失調症の急性期の陽性症状

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妄想、幻覚、幻聴がひどい統合失調症の急性期の陽性症状

妄想や幻覚、幻聴などの統合失調症の代表的な症状がひどくなりやすいのが急性期です。

統合失調症という病気の経過は大きく4つの時期に区分され、前駆期・急性期・消耗期・回復期となっています。

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そのうち急性期においては、統合失調症としても目立つ症状である陽性症状(幻覚・幻聴・妄想)がひどくなりやすい時期です。

妄想・幻覚・幻聴がひどくなる統合失調症の急性期

統合失調症の前駆期の次の段階が急性期です。統合失調症の急性期で目立つ症状は、幻覚・幻聴・妄想などの症状です。

例えば、まわりの人には理解できない意味不明なことを言ったり、誰もいないのにまるで誰かと会話しているように独り言を言ったり、奇妙な行動を繰り返したりなどの症状が、統合失調症の急性期にあらわれる陽性症状です。

急性期の特徴としては、神経過敏状態になり、興奮しやすい、不眠状態なりやすい、落ち着きがなくなる、動き回る、夜中に外出して徘徊するなどがみられます。

急性期の統合失調症の本人の自覚は

統合失調症の患者本人に急性期の症状について振り返ってもらうと、「誰かに頭を乗っ取られていた」というような感想をする人も多いようです。

自分の考えが誰かに操られている、頭の中に誰かが入ってくる、あれこれと命令される。となどの「させられ体験」も統合失調症の急性期の特徴です。

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また、表情もこわばり、目つきが鋭くなったりする例も少なくないことから、統合失調症の人が病気が原因で別人になってしまったのでは、とまわりの人が感じることもあります。

急性期のまわりの人の対応は

幻覚や幻聴、妄想がひどい状態の急性期の統合失調症の人への対応はどうすればいのでしょうか。

家族などまわりの人が「そんなものは見えない」「そんな音や声は聞こえない」「あなたの勘違い」「間違っている」と言い聞かせても、統合失調症の患者本人は納得することがありません。

逆に、自分の言っていることを否定されることで不信感を持ち、自分の殻に閉じこもってしまったり、攻撃的な行動に出たりすることもあるので注意して対応しましょう。

統合失調症の急性期では、統合失調症の患者本人も病気である自覚が薄れやすい傾向があります。

否定的な反応が多くなったり、イライラする傾向については自覚があるので「イライラしてるみたいだから、少し休んでみたら?」などと気づかいの言葉をかけてあげる対応がよいでしょう。

急性期には陰性症状もあらわれる

統合失調症の急性期では、幻覚・幻聴・妄想などの陽性症状が目立ちますが、やる気が出ない・抑うつ・不眠・不安などの陰性症状もあらわれます。

激しく興奮する一方で、仕事や勉強へのやる気が低下し、部屋にひきこもってしまうこともあります。

記憶力や思考力が低下する認知機能障害も、統合失調症の急性期に悪化するケースが多いといわれています。

◆この記事は、国立精神・神経医療研究センター神経研究所疾病研究第三部部長である功刀浩先生執筆・監修の「図解やさしくわかる統合失調症(ナツメ社)」の内容を元に、当サイト事務局の心理カウンセラーが記事編集を行っています。

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