目次
親子で統合失調症は遺伝するの?双子の場合、両親の影響や関係は?
親が統合失調症の場合、子供に病気が遺伝するのか?
双子の場合、ふたりとも統合失調症になるのか?
兄弟が統合失調症だと、発病リスクが高くなるのか?
家族や親戚の中に、統合失調症や他の病気の人が複数いることがあり、統合失調症と遺伝は関係しているのではないか、と考えられてきています。
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そこで今回は、統合失調症と遺伝との関係について買いてみたいと思います。
統合失調症は親子間で遺伝するのか
統合失調症と遺伝の関係について、病気の発症リスクについての調査データがあります。
【統合失調症の発症危険率】
・両親が統合失調症の場合 46%
・片親が統合失調症 13%
・一卵性双生児(双子) 48%
・二卵性双生児(双子) 17%
・兄弟が統合失調症 9%
100%遺伝子が同じ一卵性双生児の双子の場合でも、ひとりが統合失調症を発症したとしても、もう一人が発症する確率は48%で、ふたりとも発症する可能性はそこまで高いものではないようです。
共有する遺伝子が50%となる二卵性双生児の場合だと、ふたりとも統合失調症を発症する率は17%とさらに低くなってきます。
また、統合失調症の親から生まれた子が統合失調症となる確率は13%となります。
一般における統合失調症の発症割合は100人に1人の1%程度となっていいるので、一般よりは発症リスクは高いみたいですが、必ず遺伝するというほどではなく、統合失調症を発症しない子供の方が多いといえます。
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統合失調症の発症には遺伝要因と環境要因とが関係する
統合失調症の発症に深く関係しているのは、遺伝要因なのか、それとも環境要因(子育て環境やしつけなど)なのでしょうか。
これについても、統合失調症の親から生まれてすぐに精神疾患ではない親もとへ養子に出された子供の発症率を調べた研究もあります。
研究データによると、血縁者に統合失調症の人がいる場合のほうが病気の発症率が高くなる傾向が確認されているようです。
ですので、統合失調症の発症には、環境要因よりも遺伝要因の方が大きく関与していると考えられています。
ただし、環境要因がまったく関係していないわけではなく、生まれつきの先天的な体質に加え、後天的な環境要因がいろいろと関与して統合失調症は発症する病気だと考えられています。
統合失調症と同じように複雑な発症原因の病気には、アルツハイマー病やパーキンソン病、糖尿病や高血圧などの生活習慣病があります。
統合失調症の発症と遺伝子研究について
統合失調症の遺伝子研究については、今現在も病気の発症メカニズムの解明と、新しい治療薬の開発を中心に進められています。
まだはっきりとは解明されていませんが、いくつかの遺伝子が統合失調症の発病に関係しているのではないかと、少しずつ分かってきています。
統合失調症の発症に関係していると思われる遺伝子には、グルタミン酸、GABA、ドーパミンなどがあげられています。
ただし、統合失調症の発症に関係している遺伝子を特定できたとしても、遺伝子検査で病気の発症前に予防できるようになるかどうかについては非常に難しいようですが、今後の研究の成果に期待されるところです。
◆この記事は、国立精神・神経医療研究センター神経研究所疾病研究第三部部長である功刀浩先生執筆・監修の「図解やさしくわかる統合失調症(ナツメ社)」の内容を元に、当サイト事務局の心理カウンセラーが記事編集を行っています。
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