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抗精神病薬の定型と非定型の違いについて|効果・副作用
うつ病や統合失調症の薬物治療に使われる抗精神病薬には2つの種類があります。
ひとつは定型抗精神病薬、もうひとつは非定型抗精神病薬です。
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定型と非定型、この2つの抗精神病薬の間にはどのような違いがあるのでしょうか。
それぞれの特徴や効果、副作用はどのようになっているのでしょうか。
定型と非定型の違いは?抗精神病薬
抗精神病薬は、うつ病や躁うつ病、統合失調症の治療に使用される薬です。
抗精神病薬は「定型抗精神病薬」と「非定型抗精神病薬」の2種類に分けられ、日本でも約30種類が認可されています。
先に開発された薬が定型抗精神病薬で、その後進化した薬が非定型抗精神病薬といえます。
定型と非定型の効果、作用は?抗精神病薬
定型抗精神病薬は、脳内の神経伝達物質ドーパミンに作用して、ドーパミンの働きを抑制する効果があります。
統合失調症の幻覚や妄想、興奮やイライラなどの症状を抑える効果や、うつ状態を改善し活動性を高める定型抗精神病薬もあります。
それに対して、非定型抗精神病薬は、ドーパミンだけでなくセロトニンなどの神経伝達物質にも作用します。
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非定型抗精神病薬は、定型と比べると統合失調症の陰性症状やうつ状態にも有効であるといわれています。
副作用は?定型・非定型抗精神病薬
薬といえば気になるのは副作用です。
定型抗精神病薬に副作用は、体が硬直したり、手がふるえたり、など運動系の副作用があらわれることがあります。
非定型抗精神病薬は、そういった運動系の副作用を減らす工夫がされていますが、副作用がないわけではありません。
非定型抗精神病薬の副作用としては、体重増加、脂質異常、糖尿病などの代謝系の副作用があり、メタボのリスクが高まります。
糖尿病患者は非定型抗精神病薬は使用が禁止されていますので、家族に糖尿病の人がいる場合には定期的な血糖値の検査など、注意が必要です。
どっちがいい?定型と非定型抗精神病薬
副作用が少ないことから、現在では非定型抗精神病薬をまず第一に処方するケースが多くなっています。
統合失調症の薬物治療では最初に投与すべき薬は非定型抗精神病薬だとされています。
そうすると、非定型抗精神病薬が定型抗精神病薬が進化した薬なので、今現在、定期抗精神病薬を服用している人は非定型に薬に変える方がいいのでは?と思う人もいることでしょう。
ですが、薬の変更・切り替えは慎重に判断する必要があります。
薬の効果は個人差が大きく、薬を変えたからといって必ず良い結果が得られるわけではありませんし、新しい薬に変えたことで、今までになかった副作用があらわれることもあります。
精神科の医師は、治療ガイドラインや経験に基づいて、患者さんひとりひとりの体質にあった薬を処方しています。
薬について疑問や質問がある場合には、必ず医師に相談するようにしましょう。
◆この記事は、国立精神・神経医療研究センター神経研究所疾病研究第三部部長である功刀浩先生執筆・監修の「図解やさしくわかる統合失調症(ナツメ社)」の内容を元に、当サイト事務局の心理カウンセラーが記事編集を行っています。
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