統合失調症の家族の接し方まとめ|病気の正しい知識を持って適切な対応を

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統合失調症の家族の接し方まとめ|病気の正しい知識を持って適切な対応を

統合失調症という病気は、薬を飲まずに生活できる程度にまで回復するのは難しいのですが、病気とうまくつきあっていくことができる病気です。

統合失調症の患者の家族の対応で大切なことは、病気に関する正しい知識を持つ、病状の回復改善への最善策を考えることが重要です。

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統合失調症の発症割合と原因について

統合失調症の発症割合は100人に1人程度とされていて、発症率は約1%という決して珍しい病気ではありません。

ただし、統合失調症を発病すると、それまでの普通の日常生活は困難になり、その先の将来においても長期間にわたり薬を飲み続ける必要があるケースがほとんどで、統合失調症は軽い病気ではありません。

統合失調症の原因は脳の障害による病気ではないかと解明されつつあり、効果的な治療法やリハビリテーションについても世界中で研究が進められている状態です。

統合失調症の家族の対応、接し方について

家族の中に統合失調症の患者がいる場合、他の家族の対応や接し方について重要なことがいくつかあります。

統合失調症の患者の家族にとってまず大切なことは、病気に関する正しい医学的知識や社会的な支援制度について正しい情報を持つことです。

統合失調症の患者本人は、病気の症状の影響もあり、認知機能障害や意欲低下によって自分自身で病気に関する情報収集ができないこともあるので、家族の援助が必要になります。

統合失調症に関する正しい情報を収集することで、怖い病気、得体の知れない病気ではなくなり、患者本人と家族の不安も減り、病気に対して適切な対応をとることが可能になります。

主治医の指示に従うこと|統合失調症の治療

統合失調症の治療では、主治医に言うこと指示にきちんと従うことも大切です。

勝手に服薬を途中でやめてしまったりすると、病気の再発、病状の悪化につながりかねません。

患者本人も家族も主治医の指示をちゃんと聞くようにしましょう。また、何か疑問や質問がある場合には、遠慮なく主治医に質問するようにしましょう。

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また主治医の指示に従う以外にも、病気に関する本を読んだり、家族会に参加して他の患者家族の体験談を聞いたり、病院での家族教育プログラムに参加してみるなど、他にもできることは多くあります。

家族が統合失調症の病気に対して正しい知識を持つことで、治療における適切な対応やアドバイスにつながることもありますし、病状が悪化したり薬の副作用が出たときに早めに対処することもできるようになります。

薬物治療とリハビリが統合失調症の治療の中心

統合失調症の治療では、薬物治療とリハビリを中心として比較的長期間にわたって継続していきます。

ここで重要なことは、服薬やリハビリを自分の判断で勝手にやめてしまわないことです。

統合失調症は再発率の高い病気で、そのほとんどが服薬中断が原因といわれています。

病院では、服薬とリハビリを継続しておこなっていくことの重要性、統合失調症という病気をうまく付き合っていくことを繰り返し伝えられています。

こうしたことを家族はきちんと理解し、患者本人が統合失調症という病気の治療を継続できるように、うまく援助しながら見守っていく姿勢が大切です。

統合失調症の治療目標は完治ではなく寛解・リカバリー

統合失調症は完全に治る、完治する病気とは言い難く、治療では完治を目指すのではなく、寛解・リカバリーを治療目標とします。

寛解とは、病気は完治したわけではないが、幻覚や妄想などの症状はなくなり、普通の日常生活を送ることができる、という状態です。

リカバリーとは、病気とうまく付き合いながら、できる限り自立して、社会とも関わりを持ち、楽しく生活できるようになることを意味します。

統合失調症は、病気の発症から治療を始めるまでの期間が長ければ長いほど病状の回復が難しくなり、何らかの障害が残る確率も高くなるといわれています。

ですが、前駆期に病気に気づき、治療を早期に始めることができるとそれだけ良くなるという簡単なものでもありません。

病気の治療開始が遅くなっても、適切な治療とリハビリを続けることで、病気になる前に近い状態にまで回復するケースもあります。

統合失調症の患者本人も家族も、統合失調症という病気を正しく理解して対処していくという姿勢が治療において重要になるのです。

◆この記事は、国立精神・神経医療研究センター神経研究所疾病研究第三部部長である功刀浩先生執筆・監修の「図解やさしくわかる統合失調症(ナツメ社)」の内容を元に、当サイト事務局の心理カウンセラーが記事編集を行っています。

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