[統合失調症]暴力行為への家族の対処方法について

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[統合失調症]暴力行為への家族の対処方法について

統合失調症は、幻聴や幻覚、妄想症状の影響で、暴力行為になる場合があります。

家族に対する暴力行為がひどくなってきたら、主治医に相談して薬の種類や量について調整してもらい、状態によっては入院が必要となる場合もあります。

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統合失調症の暴力は病状悪化のサイン

犯罪をすると精神鑑定がおこなわれる、ということもあり「統合失調症などの精神障害者は犯罪をすることが多い」という誤解を持っている人も少なくないようです。

統合失調症などの精神障害者が一般の人に比べて犯罪率が高いということはありません。

ただし、統合失調症の症状が悪化すると、家族など周りの人に暴言を吐いたり、暴力をふるうこともあります。

薬を飲まなくなったり、アルコールを多く飲むようになったりしたときは、暴力行為があらわれやすくなるようです。

ですが、統合失調症患者の暴力行為は「誰かに命令された」「みんなが自分の悪口を言っている」等の妄想や幻聴が原因であることも多いのです。

家族としては、あくまでも病気のせいであって、本人に罪がないことをしっかりと認識しておきましょう。

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主治医に相談して入院を検討することも

統合失調症の人の暴力行為が繰り返しみられるようなときは、主治医に相談して予防法や対処法方についてアドバイスしてもらうことが大切です。

状態が不安定になったときに飲む頓服薬を処方してもらうとよいでしょう。

暴力行為についても「イライラする」「幻聴が聞こえる」などの予兆や徴候があらわれるものです。

どういう状態のときに暴力行為になりやすいのか、を把握しておいて、予兆があらわれたら早めに対処できるようにしましょう。

家庭での対処が困難な場合には、入院を検討する必要があります。

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家族の身の安全を守ることが治療につながる

統合失調症の暴力行為は、家族や本人に向けて行われることが多いようです。

暴力行為があらわれたときは、統合失調症患者本人を刺激しないようにして、また家族も被害に遭わないように気をつけましょう。

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もし暴力行為によって家族が身の危険を感じたときは、その場から逃げることもひとつ対処法方です。

家族がケガをするなど実際の被害が生じると、統合失調症患者本人が後になってからひどく後悔して自分を責める気持ちが強くなり、病状悪化のリスクも高くなってしまいます。

また、家族もまた暴力をされるのではという恐怖感から、病気のサポートをする気力を失ってしまうこともあります。

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暴力行為がひどい場合には警察を呼ぶ必要も

暴力行為がひどくなり、家族では対処しきれない場合には、警察を呼んで対応してもらうことも仕方がありません。

警察を呼んだ場合には、そのまま入院となることも考えられます。

警察を呼ぶなんて恥ずかしい、かわいそう、などと感じる人も少なくありませんが、取り返しのつかないことが起きてからでは間に合いません。

ときには断固とした態度をとることも大切です。

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まとめ|暴力行為への家族への対応方法について

①予兆や徴候を把握しておく
イライラや幻聴など、暴力行為の予兆があらわれたら早めに服薬するなど対処する

②暴力をふるってきたときは
本人を刺激しないように、落ち着いて対応する
危険な場合には、一旦その場を離れることも

③暴力がひどい場合には
警察を呼ぶ、入院させることも考える
暴力は絶対禁止と断固とした態度で接する

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◆この記事は、国立精神・神経医療研究センター神経研究所疾病研究第三部部長である功刀浩先生執筆・監修の「図解やさしくわかる統合失調症(ナツメ社)」の内容を元に、当事務局の心理カウンセラーが記事編集を行っています。

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