目次
なぜ発達障害だと我慢できないの?わががまでやる気がない?
発達障害の子どもたちは、まわりの人たちから「我慢できない」「わがまま」「やる気がない」「乱暴で暴力的」といたt目で見られることも少なくありません。
しかし、発達障害の子ども本人も、自分の感情や行動をうまくコントロールできずに悩んでいるのです。
スポンサーリンク
そこで今回は、なぜ発達障害の子どもは我慢できないのか、わがままな行動をしてしまうのか、をテーマに書いてみたいと思います。
発達障害の問題行動は「わざと」ではない
発達障害の子どもにみられる特徴には次のようなものがあげられます。
・漢字が書けない
・文章が読めない
・計算が遅い
・忘れ物が多い
・人の話を最後まで聞けない
・カッとなってすぐ怒る
・予定変更を受け入れられない
・相手の気持ちが分からない など
どれも発達障害の子どもにみられる特徴ですが、発達障害の子ども本人が「わざと」「故意に」それらの問題行動をおこしているわけではありません。
発達障害があるため、まわりの普通の子どもたちと同じように、覚えたり、自分の感情をコントロールしたり、相手の気持ちを読み取ったりすることが苦手で、結果的にミスや失敗が多くなり、トラブルを起こしてしまうこともあるのです。
なぜ発達障害だと我慢ができないのか?
発達障害の子どものなかには、順番を待ったり、列に並ぶことが苦手な子もいます。
なぜ発達障害の子どもだと我慢できないのでしょうか?
定型発達の子どもの場合
一般的には、小学生くらいに成長してくると、順番を守らなければいけないことを理解し、嫌々ながらも列の一番後ろに並ぶことを受け入れるようになっていくものです。
スポンサーリンク
それは、順番を守らなければ「わがまま」と言われ、順番を守ることができれば「がまんできた」と評価されることをわかっているからです。
そして、我慢できる子になろう、と子どもなりに努力することになるのです。
発達障害の子どもの場合
しかし、発達障害の子の場合、我慢ができない傾向があります。
頭では順番を守らなければいけないことが理解しているのですが、実際に列に並ぶ状況になると、「今すぐに順番が回ってきてほしい」という強い欲求が生まれて「冷静な自分」がどこかへ行ってしまいます。
その結果、順番を待つのは嫌だと行って暴れたり、列に割り込んだり、という問題行動をおこしてしまいます。
このとき、発達障害の子どもは自分の感情をコントロールできなくなっています。
まわりの人からみると、わがままで自分勝手に見えますが、後になって冷静さを取り戻すと、発達障害の本人も自分のも問題行動について後悔します。
「なぜ、あんなことをしてしまったのか」と発達障害の本人も理由がわからず、悩んでしまうのです。
なかなか気付かれにくい発達障害の子どもの悩み
発達障害の子どもが、心の中で悩んでることに、まわりの人が気づいていない、というケースは少なくありません。
まわりの人は発達障害の子どもに対して「わがまま」「自分勝手」「我慢できない子」というレッテルを貼ってしまい、「本人も反省していない、注意しても聞く耳を持たない」と思い込んでいることが多いのです。
また困ったことに、発達障害の子どもの問題行動について、親から甘やかされて育ったから、ルールやマナーをちゃんと教わっていないことが原因だ、という間違った思い込みを持ってしまうことも少なくないのです。
発達障害の子どもだって他の子どもたちと同じように育ち、親も他の親と同じように育てをしてきたのに、「なぜ我慢できないの?」と、本人も親も悩んでいることに、まわりの人たちが気づくことが適切な支援につながります。
◆この記事は、お茶の水女子大学大学院教授である榊原洋一先生執筆・監修「図解よくわかる発達障害の子どもたち(ナツメ社)」の内容に基づいて、当サイト運営事務局の心理カウンセラーが記事編集をしています。
スポンサーリンク