【学習障害の治療と予後】勉強法や工夫は?無理強いしないことが大切

【学習障害の治療と予後】勉強法や工夫は?無理強いしないことが大切

「読み書き障害」に代表されるLD学習障害は、主に脳機能の不具合が原因と考えられていて、それを薬物治療や外科手術などの治療法で完治させることはできません。

ですので、子どもの苦手なこと、できないことを克服させようとする対応ではなく、サポートする形で勉強法を工夫するなどの対処法が有効といえます。

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LD学習障害の場合の勉強法や工夫は?

文字や文章を「読む」ことに困難があるLD学習障害のケースでは、例えば親が教科書を代わりに読んで、それをICレコーダーに録音し、繰り返し聴いて覚える、という勉強法もあります。

録音する学習法は、ハリウッド俳優のトム・クルーズがやっていた方法として有名ですね。

また、文字を「書く」ことが苦手でできないLDの場合には、ノートに書かせるのではなく、授業内容を録音して、家に持ち帰って録音した内容を聴いて確認する、という勉強法もよいでしょう。

また、パソコンの教室への持ち込みが許可されるのであれば、ノートに書くのではなく、パソコンに入力する方法もあります。

読み書き障害(ディスレクシア)の子どものなかには、自分で文字を書くことは苦手だけど、パソコン入力であれば負担に感じない、というケースもあります。

他にも、授業で配布されるプリントを文字を拡大したり、行間を広くとって見やすくするなど、読み書き障害の子どもが文字を読めるようにする工夫も大切です。

できないことを無理強いしないように

読み書き障害などLD学習障害の子どもは、普通の子どものように、音読や漢字の書き取りを繰り返し反復学習すれば上達する、というわけにはいきません。

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周りの人よりも練習したり、たくさん努力しても、「脳機能の異常」のため、苦手なことは苦手なのです。ですので、できないことや苦手なことを、何度も繰り返しさせたり、反復学習させるというやり方では、本人のやる気が失われてしまうだけです。

親や教師などまわりの人が「努力してもできない」というLD学習障害の特性を理解し、子どもを無理強いするような学習方法はやめましょう。

苦手でできないからといって訓練を重ねて克服させようとするのではなく、得意科目や興味関心のあることにどんどん取り組ませ、子どものやる気や意欲を引き出してあげるサポートが望ましいといえます。

読み書き障害をはじめとするLD学習障害の子どもは、自信をなくしたり、自尊感情が低くなりがちです。自分の得意なこと、熱中できることを見つけることが、自信をつけることにもつながります。

逆に、苦手なことを無理やりさせたり、できないことを他の子どもと比較して叱ったり怒ったり、「努力が足りない」と厳しい指導をすることは、LD学習障害の子どもの自信を失わせ、意欲低下になるので注意しましょう。

また、「自分のことを理解してもらえない」という精神的ストレスがたまり、親や先生など周囲の大人に対して反抗的な態度をとるようになるケースもあります。

親や教師、周囲の大人の理解が重要

読み書き障害(LD学習障害)についての理解は、日本ではまだまだといった状態です。そのため、親や学校の教師をはじめとする周囲の大人による理解が重要になります。

読み書き障害(LD学習障害)の子どもが困っていること、不都合を感じてること、つらい気持ちを理解し、適切なサポートを行って学習環境を整えてあげれば、学習理解度は工場します。

ですが、日本においてのLD学習障害(読み書き障害)は、最近やっと関心が高くなってきた段階で、まだまだ十分とは言えない状態です。例えば、教室にパソコンやボイスレコーダーなどの持ち込みを許可したり、音読を免除するなどの対応ができる体制の学校はそう多くはありません。

親や学校の教師が率先して、読み書き障害(LD学習障害)の特性を理解し、サポートを行っていくという姿勢を保つことが、LD学習障害の対応において重要な課題になります。

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